【インドネシア豪雨 緊急支援】今も残る孤立した被災地。再びの雨が迫る現場から

11月末、豪雨による洪水が襲ったインドネシア・スマトラ島。被災から2週間以上が経った今も支援の手が行き届かない地域が残るなど、壊滅的な被害をもたらしています。現地では、歯がゆい思いを抱えながらも懸命に支援活動に取り組む人びとの姿がありました。
支援届かぬ孤立した村

インドネシア国家防災庁の発表によると、亡くなった方の人数は12月8日時点で961名、行方不明者は293名に上り、およそ100万人が避難生活を余儀なくされています。すべての被害状況が明らかになっていないため、犠牲者の数はもっと増える可能性があります。
現地で緊急支援活動を行っている団体によると、8日時点でも未だ孤立状態にある村が少なくありません。こうした場所には食料や水などの必要最低限の物資も届いていません。洪水そのものの被害に加え、物資の不足がさらに状況を厳しくしています。最も助けを必要としている人びとに今も手が届かない――そんなやりきれない想いを抱えながら、できる支援を模索しているといいます。
極限状態が長引けば、支援の現場に新たな課題をもたらすことも。被災地域への道が復旧したタイミングで支援物資を積んだ車両などが挙って現地に向かえば、渋滞が起こりやすくなります。スマトラ島最大の都市メダンからアチェ州のアチェ・タミアン県に向かう通常2時間の道のりは、現在は6時間ほどかかるとのこと。さらに、そこへ輸送中の物資を求めて人びとが押し寄せるために混乱が生じているという情報もあります。
被災者支える助け合いの輪

今回、主に被害を受けたのはスマトラ島北西部のアチェ州、北スマトラ州、西スマトラ州で、非常に広い範囲が被災地となりました。被災状況や支援状況にも濃淡が生まれています。
被災した各地域ではポスコ(POSKO)と呼ばれる災害支援拠点が立ち上がり、被災者への物資配布が行われたり、避難所として人びとを受け入れたりしています。ポスコは公的なものだけでなく、民間で運営されるものもあります。被災者も支援者も助け合いながら、この難局を乗り切ろうとしているのです。
一方で、ポスコでの支援を受けなければ生活が困難なため自宅に戻れない人、そもそも拠点まで来ることが困難で支援を受けられない人などもいます。それぞれ必要な助けは異なるため、急性期の支援が届いている場所でも、復旧・復興に向けてはきめ細やかなニーズへの対応が必要不可欠になります。
そんななか、心配な情報もあります。発達したサイクロンが再びスマトラ島に大雨を降らせると予想されているのです。インドネシア気象庁(BMKG)は、8日から15日の期間について、北スマトラ州に異常気象警報を発令しました。すでに危機的な状況に瀕している被災地域への再びの雨は、さらなる犠牲者を生みかねません。

強大な自然災害の脅威を前に無力感に苛まれることもありますが、人びとの支え合いの心は、厳しい現実に確かに希望を灯しています。私たちもその一助となれるよう、引き続き皆さまのご支援を被災地に届けてまいります。温かい応援をどうぞよろしくお願いいたします。
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