コーヒー収穫終了、品質に高い評価
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が支援してきたコーヒー農園での収穫作業が無事終了しました。現地入りしたコーヒー専門家からも、コーヒーの品質について高い評価が得られ、農民たちの来期に賭ける意欲も高まっています。
PWJが2003年度、コーヒー品質改善プロジェクトとして支援してきたのは、エルメラ県レテフォホ郡4ケ村の農民たち36世帯。農民たちは、6月中旬から始まった収穫作業の当初は、「なぜ、赤い実しか採ってはいけないのか」とPWJの収穫指導に半信半疑でしたが、厳選された実のみからできる白く、美しいパーチメント(外皮のついた状態の豆)を目にし、またそのパーチメントを脱穀したグリーンの色も鮮やかな生豆を目にして、違いを理解。「完熟した実だけを採ろう」と、日を追って意欲が高まっていきました。
さらにパーチメントの買い取りの時期が訪れると農民たちは、完熟した実だけから精製したパーチメントが、現地仕様のパーチメントよりかなり高い値で売ることができることを実感しました。その結果、2003年度はプロジェクトに参加しなかった農民の間にも、来年度の事業への参加の希望が広がっています。
一方、専門家による品質の評価は8月に現地入りした堀口珈琲研究所の堀口俊英さんによって行われました。スペシャリティコーヒー(高品質コーヒー)についての日本での第一人者として知られる堀口さんは、PWJの指導のもとで生産されたコーヒーの味について、「濁り感が全くなく、舌に甘みの余韻が持続する」と評価。「甘みは完熟豆のみを積んだ結果と推測される。きれいさは精製プロセスによるもので、徹底したウォッシュド(水洗)のこだわりにあると推測される」と分析しました。
収穫されたコーヒーは、現地で精製された後、10月末に日本に向けて出港予定。2004年初頭から、PWJのフェアトレード・コーヒーとして一般にも販売する予定です。
なお、PWJのコーヒー農民支援事業については2003年8月から、国際協力機構(JICA、旧称=国際協力事業団)の協力を得ています。
PWJの指導を受けながらコーヒー収穫作業を進める農民
品質評価のため現地を訪れコーヒーを入れる堀口さん