【トルコ】大地震の被害を受けた人々が夏を乗り切る手伝いをしました
WMO(世界気象機関)は7月の世界の月平均気温が過去の平均を大幅に上回り、2023年の夏が史上最も暑い夏だったと発表しました。この暑さは、2月にトルコ南東部を襲ったふたつの巨大地震の被害を受けて、テントやコンテナハウスで仮住まいをする被災者にとっても過酷なものでした。被災した方々の生活が少しでも楽になるように、ピースウィンズは被害の最も大きかったトルコ南部ハタイ県の5つの村(タニシュマ村、マデンボユ村、アウスユ村、ボズホユック村、デミルキョプル村)で、「夏対策」物資を合計2,942世帯にお届けしました。
タニシュマ村とアウスユ村、ボズホユック村はタバコの産地。年間4,000トンが日本に輸出されているそうです。収穫期には村の女性たちが葉を束ねる作業をします。
マデンボユ村での物資配付の様子
物資は大型トラックで届きます。
「夏対策」物資には、日除けのための遮光ネット、貯水タンク、扇風機、クーラーボックスに加えて、蚊帳やフロアマットも配付しました。
遮光ネット(左奥)、フロアマット(手前左・右奥)、蚊帳(手前)
クーラボックスとウォータータンク
タニシュマ村では扇風機の組み立て手順を示す動画を作って各世帯に配りました。そのおかげで問い合わせがほとんどありませんでした。
物資を配るときには、たくさんの村人が集まってきます。荷物を間違いなく、効率良く持ち帰ってもらうために事前の準備が欠かせません。準備段階でも、配付会場でも、村人や子どもたちが手伝ってくれました。また、配付当日は混乱が起きないよう会場整理が重要になります。ここで重要な働きをしてくれたのが、ピースウィンズの契約ドライバー、アフメットさんとシェブケットさんでした。アラビア語など複数の言語ができるアフメットさんは、シリアから逃れてきた人々にも対応することができるので、私たちの活動にはなくてはならない人です。会社を経営していた経験があり、大所高所からの判断をしてくれます。シェブケットさんは車のレンタル会社に加えて貴金属店や洗車業も営む経営者ですが、自らハンドルを握ってドライバーをしてくれます。配付の時、荷物の移動を手伝ってくれる子どもたちがひどくふざけたりすると上手に注意してくれることもあります。
アフメットさんは受付を手伝ってくれたり、入り口で配付会場に入る村人をコントロールしてくれたりします。
夏物資最後の配付先マデンボユ村での朝食。「Afiyet Olsun(健康になりますように)」と言って食べ始めます。中央がアフメットさん、左手前がシェブケットさん。
シェブケットさん(左)は、活動の様子を撮影してくれます。
●支援物資を受け取った人にアンケート
タニシュマ村では、これまでに届けた物資が役に立ったかどうかのアンケート調査も行いました。「受け取った物資を使っていますか?」という質問には調査した村人全員が「はい」と答え、このうち97.7%の人が「役に立った」と答えてくれました。
タニシュマ村での調査の様子
大地震の発生から半年以上が過ぎ、テントの数は徐々に減って、被災者はコンテナハウスに移りつつあります。しかし、コンテナでの生活にも不便はつきまといます。ピースウィンズでは引き続き、被災した方々の暮らしが楽になるように支援を続けていきます。
傾斜地に置かれたコンテナハウス
すべての物資を配付し終わって記念撮影
※トルコにおけるピースウィンズの支援活動は、みなさまからのご寄付やジャパンプラットフォームからの助成金により実施しています。引き続き、温かいご支援をよろしくお願いします。