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【ケニア】ケニア事業と責任者の千葉暁子が「緊急人道支援学会 実践賞」を受賞! 難民支援の新たな地平を切り拓く

ピースウィンズ・ジャパン(以下、ピースウィンズ)のケニア事業とその現地責任者である千葉暁子(ちば・あきこ)が、このたび「緊急人道支援学会 実践賞」を受賞いたしました。

本賞は、緊急人道支援の分野において卓越した実践を行い、顕著な貢献が認められた個人や活動に贈られるものです。世界的に人道支援予算が削減され、「忘れられた危機」が深刻化するケニアにおいて、千葉がリードしてきた多角的なアプローチが高い評価を受けました。

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授賞式の様子

受賞の背景:資金不足と「忘れられた危機」への挑戦

現在、ケニアには周辺国の政情不安や気候変動による干ばつから逃れてきた難民・庇護希望者が約85万人に達しています。しかし、2025年以降の国際的な支援予算の大幅な減額により、食料配給の削減や水不足が深刻化。難民キャンプでは人道基準を大きく下回る過酷な状況が続いています。

このような困難な状況下で、千葉率いるピースウィンズ・ケニアチームは、単なる「物資の配付」に留まらない、持続可能な支援モデルを構築してきました。

評価された独自性:実装力と多層的連携

1.地道な改善と住民主体を軸とした基礎サービス

給水、衛生、住居、ロジスティックスといった基礎サービスは、危機の中では見過ごされがちですが、人々の生活と尊厳を支える土台です。

ピースウィンズは、資金縮減下においても、水圧の安定化や漏水削減、衛生環境の維持、住居補修、人道支援車両整備の改善など、現場での小さな改善を積み重ねてきました。目立たない取り組みですが、それらが日々の安心につながっています。

同時に、住民が受け手にとどまらず、管理や運営に関わる仕組みづくりを推進。水委員会の強化や衛生施設の維持管理、ゴミの分別や地域清掃への参画などを通じ、地域に責任とオーナーシップを育ててきました。

こうした地道な改善と主体性の強化が、持続性と統合の基盤を形づくっています。

2.統合政策を戦略の柱とする実践

ピースウィンズは、ケニア政府の難民統合政策「シリカ計画」に対し、現場で制度を具体化する実装主体として関わってきました。

水の汲み上げのクリーンエネルギー化の促進、自治体の給水事業体との協業、データ基盤整備などを通じ、人道支援から公共サービスへの移行を現実的な選択肢とするための準備を進めています。

3.日本企業・自治体との連携による持続性の具体化

日本企業や自治体との連携も、統合政策の実装に資する取り組みとして評価されました。

LIXILの簡易便器「SATO」の導入は、衛生改善に加え、設置や維持管理を担う難民の雇用創出につながっています。

鹿児島県大崎町との協働では、廃棄物分別・リサイクルの知見を活かし、固形廃棄物管理を改善。さらに民間企業との協働により、難民女性が車両整備士資格を取得し、就労機会を得る仕組みを構築しました。

これらは、支援を単なる受益にとどめず、難民を発展の担い手へと位置づけ直す実践です。

4.国際機関・ドナーとの協働による支援ギャップへの対応

UNHCRをはじめとする国連機関のみならず、欧州委員会人道援助・市民保護総局(ECHO)との協働のもと、ケニアの難民キャンプ、ホストコミュニティの給水衛生分野における支援ギャップを補完し、基礎サービスの安定化に努めてきました。

資金削減という制約の中で、国際ドナー、日本政府、企業、自治体、NGOをつなぎ、移行期を“下から”支える構造を築いてきた点が、今回の評価につながりました。

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学会賞を受賞した千葉曉子

現場の声を力に。受賞者・千葉暁子の歩み

東京都立大学で社会人類学を学び、民間企業での経験を経てJICAボランティアとして中東へ。その後、専門家としてケニアに深く関わってきた千葉は、2018年からピースウィンズのナイロビ駐在員として現場の指揮を執っています。

「人道ニーズへの対応と、難民の自立(統合)を両立させることは容易ではありません。しかし、行政、企業、国際機関、そして地域住民といったあらゆる壁を越えて手を取り合うことで、絶望的な状況を変える力が生まれると信じています。」

千葉のこの「決してあきらめない姿勢」と、現場に根ざした主導的な役割が、ケニア政府が進める難民統合政策「シリカ計画」の大きな推進力となっています。

ピースウィンズのこれから

今回の受賞は、千葉個人の功績であると同時に、現場で共に汗を流すスタッフ、そして活動を支えてくださる寄付者の皆様と共に手にした栄誉です。

私たちはこれからも、カクマ、ダダーブ、カロベエイといった全ての事業地において、難民やホストコミュニティの人々が尊厳を持って生きられる社会を目指し、革新的な支援を続けてまいります。

引き続き、ピースウィンズのケニア事業への温かいご支援をお願い申し上げます。

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ケニア・カクマで奮闘するスタッフたち

【関連リンク】
・UNHCR Good Practice/カクマ難民キャンプにおける衛生改善事例(英文):Good Practices Increasing access to improved sanitation in Kakuma Refugee Camp and Kalobeyei Integrated Settlement
TICAD9イベント「映像が伝える難民支援の最前線」ご報告 ケニアから見る難民支援の未来
【ケニア】世界難民の日-ゴミ管理を通じたコミュニティの変容の物語-
【ケニア】難民に安全な水を届けるための給水チームの奮闘
【ケニア】Breaking Period Silence!~ケニアからオンライン登壇、月経衛生支援について報告しました!~
【ケニア】「飢えか、帰還か」生存の危機が続くカクマ難民キャンプの現状
【仕事場は地球#02】「誰もが尊厳を保ち、生きがいをもって生きていくことを後押していきたい」――ケニア代表・千葉暁子

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