【イラク】500万もの人びとが支援を必要としています
イラクでは、長引く国内の混乱により、特に北西部地域で多くの人々が避難を余儀なくされています。また、内戦の終わらないシリアからも難民流入が続いており、現在、イラクでは500万に上る人びとが支援を必要としています。
現在、ピースウィンズ・ジャパン(以下 PWJ)では、イラク北部で越冬支援を強化しています。イラクと言えば、灼熱砂漠のイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかしながら、多くの難民や国内避難民が暮らすイラク北部は現在、氷点下の世界です。故郷を追われた人びとは、暖を取るのに必要な服も器具も持たず、凍える日々を送っています。そんな人々の生活環境が少しでも改善するように、PWJでは、様々な支援を行なっています。
まず、PWJでは、イラク北部にある7つの難民キャンプで、児童向けコートの配布を開始しました。厳しい難民生活にあっても、年頃の女の子達は”おしゃれ心”を忘れません。女の子達は皆楽しそうに、「私はこれー!」と好きなデザインのコートを我先にと選びます。男の子達も、支給されたコートを着て、嬉しそうに走り回っています。
写真左:配布されたコートを試着するファーティマちゃん、写真右:配布を待つ児童たち
また先日、PWJはシリア難民キャンプの800世帯に、給湯機器の配布を行いました。これにより、直ぐにお湯を沸かして、寒さに対処できるようになりました。それまでは、劣悪なストーブを給湯に使用し、子どもが使用方法を誤っり、けがを負うケースが多々ありました。給湯機器の配布は、人々の要望に応える形で支援を実現することができました。
写真左:嬉しそうに配布品を持って帰る女の子、写真右:配布した給湯器機、写真下: 配布を待つ人々の列
難民キャンプで暮らすサシム (44歳)さんは我々に嬉しそうに 語ってくれました。
「今までは、近所から借りた不良品を使っていて、子どもが火傷をしたこともある。日本の皆さんのおかげで、安全にお湯を沸かすことができ、とてもうれしい!!」
写真左:サシムさんと息子のムハンマド君、写真右:サシムさんのキッチンの様子
さらにPWJでは、「1400程の難民世帯への灯油配布」など様々な支援を計画しており、今後もイラクで苦しむ人々への支援を強化、継続します。現在、イラクでは国際社会からの支援が必要な人々が500万人に上ると言われています。この数字は、国際社会の想定を遥かに上回り、支援が必要な人たちに行き渡っていないのが現状です。少しでも支援を拡大するためにも、引き続き、皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願い致します。
【皆さまの募金が人々を救います!】詳しくは下記ご覧ください。
https://global.peace-winds.org/support/
※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金や皆さまからのご寄付により実施しています。
報告:イ・チャンウ(イラク駐在員)、内田祐輔(本部事業部員)