【イラク】職業訓練コース受講者の声(4)
「言葉では言い表せないほど嬉しいです。努力は無駄ではなかったと自分を誇りに思います!」
笑顔でこう話してくれたのは、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)がイラク北部で実施する職業訓練コースを受講し、コース参加中、惜しまない努力と熱意をもって受講をしたこと、そして彼女の優れた技術と可能性が評価され、コース修了後、美容師としての職を得たJ.A.H.さんです。
PWJは2020年9月よりイラク北部ドホーク州シャリヤ地区のシャリヤ国内避難民キャンプ内外の国内避難民とホストコミュニティの女性および若者を対象に、生計能力の向上やコミュニティ連携に貢献し得る人材育成のため、住居修繕技術(電気・配管)、美容・整髪技術、リーダーシップの職業訓練コースを実施しています。4回に分けてお届けする職業訓練コースの受講者の声。第4弾(最後)となる今回は、美容・整髪技術の職業訓練コースに参加したJ.A.H.さんの声です。
受講者同士がコミュニケーションをとりながら、メイク技術を学ぶ様子
第1弾の記事はこちらから:https://global.peace-winds.org/activity/iraq/20083
第2弾の記事はこちらから:https://global.peace-winds.org/activity/iraq/20374
第3弾の記事はこちらから:https://global.peace-winds.org/activity/iraq/20428
J.A.H.さん(24歳)は、故郷シンジャールへの武力攻撃から逃れ、現在、シャリヤ町で親戚と一緒に暮らしています。2015年に家族がヨーロッパに移住した際、彼女は高校の最高学年だったため、一緒に行くことができませんでした。家族はJ.A.H.さんが高校卒業後、あらゆる手段を使って再会を試みましたが、法的に未成年の年齢を超えているため、すべて失敗に終わりました。J.A.H.さんは家族から離れて一人でいることがとても辛かったので、何か自分の興味があることをしようと思い、メイクの仕方を独学で学びました。J.A.H.さんは大学も卒業しましたが、就職することはできませんでした。
PWJの美容・整髪技術の職業訓練コースは彼女にとって非常に魅力的で、このコースに参加して、美容・整髪分野の職業技能を高めることにしました。昔から好きだった美容の世界で職業を築く方法を見つけ、とても嬉しく思いました。
強い関心とやる気で、どんどん美容・整髪技術を習得していったJ.A.H.さん(写真右)
職業訓練コース参加中、J.A.H.さんは経験を積むことへ強い関心と惜しまない努力、熱意を示し、自らの努力で新たな道を切り開きました。同コースの講師である地元の美容室経営者からJ.A.Hさんの優れた技術と可能性を見出され、理論・実技訓練後、講師が経営する美容室のアシスタントとして最初のオファ―を受けました。その後、インターンシップ期間中に現在働いている美容室のオーナーからもオファ―を受けたJ.A.Hさん。「言葉では言い表せないほど嬉しいです。努力は無駄ではなかったと自分を誇りに思います!」とJ.A.Hさんは笑顔でこう話してくれました。
未来への希望を持って力強く生きる人びとから、PWJは多くのことを学びました。これからもPWJは人びとが未来に向けて一歩を踏み出すための車輪としての役割を果たしていきます。
※本事業は、外務省の日本NGO連携無償資金協力からの助成金やみなさまのご寄付により実施しています。