【モンゴル】今年は4人が大学を卒業しました
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、モンゴルで貧困や家庭の事情のために保護者のもとで暮らすことができない子どもたちを、現地の児童保護施設「ベルビスト・ケアセンター」(VCC)を通じて、支援し続けています。
旧ソ連崩壊後、社会主義から資本主義に社会が一変し、貧困層の急激な増加により街にはストリートチルドレンが多くみられるようになりました。ストリートチルドレンは、親のアルコール中毒や家庭内暴力、育児放棄など様々な理由によって、親元から離れ、ストリートつまり路上で暮らさなければなくなった子どもたちのことを言います。冬には暖かい場所を求めてマンホールの中に入り、温水の流れるパイプに寄り添って眠る「マンホールチルドレン」と呼ばれる子どもたちもいたそうです。
それぞれの事情があってVCCに引き取られることになった子どもたちは幼稚園や学校に通い、将来学校や大学を卒業してVCCを出た後も自立して生活していけるように、サポートを受けています。今年は4人の子どもたちが大学を、1人の子どもが専門学校を無事に卒業することが出来ました。また、7人の子どもたちが家族または親戚と再会することが出来ました。
VCCで暮らす女の子たち
夏休み期間には、子どもたちはサマーキャンプに行っています。その期間、VCCでは施設の修復工事を行い、子どもたちが戻ってきたときにより快適に過ごせるよう、冬に向けて寒さ対策をしたり、シャワーやトイレの修理を行ったりしていました。
3歳の時に施設に引き取られて以来、PWJが支援を続けているVCCのツーヤは今年で15歳になり、6月には9年生(日本の中学3年生)を無事修了しました。モンゴルの教育制度上、9年生修了後は専門学校に進学しますが、ツーヤはとても優秀なので来年度からも学校に通うことになりました。夏休みが明けてからは10年生(日本の高校1年生)になります。子どもたちが高校を修了し、大学に進学できるよう、VCCでもサポートしています。
生後2カ月からVCCで生活し、今年で15歳になるツーヤ
ツーヤはVCCの中でもとても明るく人懐っこい性格なので、小さいどもたちの面倒をよく見ていて家族の一員のような存在になっているそうです。VCCではできる限り、家族と過ごしているような環境で子どもたちを育てることも大切にしています。
PWJは今後も、ツーヤをはじめVCCで暮らす子どもたちの支援を続けていきます。