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私たちの活動

【モザンビーク】被災地の明日の医療のために~サイクロン復興支援~

PWJの活動で修繕した保健医療関係施設

ベイラ中央病院精神科棟


ベイラ医療従事者養成学校

 

 

2019年3月、地球温暖化の影響で巨大化したサイクロン・イダイの直撃を受けて、モザンビーク中部のソファラ州では166ある医療施設のうちの80施設が被災しました。
ソファラ州の州都ベイラは特に被害の大きかった地域の一つであり、街に立ち並ぶほぼすべての建物が大打撃を受けました。中でも、ベイラ中央病院(以下、HCB)と、病院に隣接するベイラ医療従事者養成学校(以下、ICSB)は海岸沿いに位置しており、最大時速195km(秒速54m)という猛烈な風は、ほぼすべての建物の屋根を吹き飛ばしました。


屋根に大きな穴が開いた精神科棟


屋根が全壊したICSBの実習棟

HCBの精神科棟はモザンビーク中部地域で唯一の専門病棟として、ソファラ州だけではなく、隣接するマニカ州やイニャンバネ州からも患者を受け入れています。
サイクロンで家族を失い精神的ショックを受けた患者や、未だ再定住地域でのテント生活において精神的ストレスを抱える被災者、再定住地域周辺でジェンダーに基づく暴力が問題視されている中で、同精神科棟では、辛うじて残った屋根の下で、受け入れ患者数を制限しながら診療を行っていました。


サイクロン被災後の精神科棟病室の様子


破れた天井と穴の開いた屋根から日の光が入っている。

一方のICSBは一般看護師や、母子保健看護師、臨床検査技師、薬剤師などの医療従事者を養成する全17コースを実施、年間で約250名の卒業生を輩出しており、地域医療センターの運営を支えています。
しかし、サイクロンの影響で全6棟すべてが損害を受け、12教室の内5教室、実習室、図書室などが使用できなくなり、また2019年度の入試が中止となったことで、この先の医療従事者の質と数の確保が緊急の課題となっていました。


実習室の被災時の様子


一般教室に機材を入れて、臨時実習室として授業を実施

この状況を受け、PWJはHCB精神科棟とICSBの実習棟・事務棟の修繕を行い、骨組み材を増やして強固に固定し、以前よりも多くのネジや釘を天井材、屋根材に打つなどの強化対策を行い、サイクロン級の暴風にも耐えうる設計・施工を実施しました。


ICSB事務棟の骨組み材を補強する様子


ICSB実習棟の骨組み材の固定の様子

サイクロン以前は、HCB精神科棟は女性患者が男子病室を通過しなければ入室できなかったり、男性と女性が同室で診察を受けたりなど、ジェンダーに対する配慮が行えない構造でした。そこで、通路や廊下区画での壁の増設や診察室の新設などのレイアウト変更を行ったことで、ジェンダーへ配慮し、衛生的かつ安全な医療を提供できるようになり、より良い環境の中での診療が再開しました。


完成後の精神科棟正面(左側通路を新設)


診療室と病室への通路


完成後のダンスを披露


完成後の病棟大部屋の視察(個室もできました)

ICSBも実習棟と事務棟の使用を再開できたことで、2020年度の入試の実施に向けて準備が始まり、中部地域の医療センターへ医療人材の充足・能力強化を持続的に行っていく仕組みが動き出しました。


完成後の実習棟外観


実習マネキンなどの機材を再設置された実習室


資料整理を終えた図書室


修繕完成セレモニー時の事務棟正面玄関にて

 
サイクロン被災者が必要な時に必要な医療を受けられる未来に向けて、現場は一歩ずつ前へ進んでいます。

 
PWJは今後もサイクロンの復興支援を継続していきます。

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