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【ミャンマー地震 緊急支援】避難所の厳しい現状とこれからの課題。医療・物資支援の両面から被災地を支える

これまで国内外のさまざまな被災地で支援活動を行ってきたピースウィンズの事業調整員が、思わず言葉をもらしました。

「発災から13日も経っているのに、まだこんな場所で避難生活をしなければならないのか……」

被災者はお寺の境内に集まり、テントと呼ぶにはあまりにも簡素な、木に張ったビニール紐にブルーシートをかけただけの日陰の下で数十人が寝泊まりしています。プライバシーなどはなく、レジャーシートの上で2週間近く住んでいる状況です。

避難者を悩ます猛暑とスコール

避難所の様子を調べていると、突然「オツカレサマデス」とつたない日本語で呼び止められました。2年間日本語を勉強しているという学生です。「私は今お母さんとこのスペースに暮らしています」指差した先には、たった1枚敷かれたシートと小さな枕、何枚かのブランケットとうちわが置かれています。

「今は、支援物資を受け取りに行ってきました。お水とお弁当。中身はお米と小さなおかずが数種類です。それからお菓子やインスタントヌードルなどがもらえました」そういってお弁当の中身を見せてくれました。

また、避難所では誰もが当たり前のようにシート1枚で地面に寝ていますが、聞けば「毎日固いところで寝て腰が痛くて仕方ない」という声も聞かれます。特に高齢者にとってはとても厳しい避難環境です。

避難所生活の長期化が予想されるなか、この状態を少しでも改善していく支援を考えていく必要があります。さらに喫緊で求められているのが、これから迎える雨季への対策です。

ミャンマーは今、一年で最も暑い季節を迎えており、これからは雨季へと入っていきます。

40℃を超す猛暑も被災者を苦しめる大きな要因でしたが、4月に入り少しずつ雨が降るようになってきてからはその雨もまた、避難者の生活を苦しめています。この時季、15分程の短い時間とはいえ、強烈な風と共に横殴りのスコールが街を襲うことがあるのです。

「この間の雨のときは、みんなでお坊さんの宿舎に逃げ込みました。雨が降るとこの場所は本当に大変なんです」と当時のことを話してくれました。

幸いにもインタビューの直後、この避難所にも3〜4人用の避難テントが運ばれてくることになり、ようやく雨に怯えなくて済む壁のあるテントで寝泊まりできることに、誰もが胸を撫で下ろしていました。

しかし、テントがあれば問題が解決するわけではありません。むしろこれまでオープンスペースだったから全員が入れていたこの場所にテントが設営されるため、引き続き全員がここで避難できるのか?増え続ける避難者の数にトイレの数は足りるのか?密集する避難生活の中で感染症予防はできているか?など、あらたな課題も出てきています。

ピースウィンズでは、こうした目の前の状況をモニタリングしながら、今後の中長期の支援で必要なものの調査も進めています。

笑顔を届け、“信頼される診療所”へ

ピースウィンズが現在医療支援を行っている臨時診療所もこの避難所の横にあります。今回のミャンマー地震の緊急支援チームを率いる稲葉医師は「私たちが支援するのは医療だけではない」といいます。

「私は医者なので医療支援が本分ですが、大規模災害時に必要とされる支援は医療だけでは到底カバーできません。安心して住める場所、健康的に食べられるもの、生活再建への道筋、被災者にとって必要なものは人それぞれ異なります。我々も支援団体として医療だけではなく、物資や今後の中長期にわたって支援を続けていくことを視野に、長い目で心に寄り添う支援を考えていくことが大切です」

4月7日から開設した臨時診療所には、毎日多くの患者がやってきます。電気もインターネットも通っていないなかで、“日本からやってきた”診療所のことは少しずつ口コミで広がり、30名の患者が診察を受けに来た日もありました。

子どもたちの姿も増えてきています。これまでに多くの被災地で医療支援を行ってきた空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の看護師たちが、「とにかく明るい気持ちになれる診療所にしたい」と、受付待ちの間に遊べる塗り絵を準備したり、子どもたちに配るお薬袋にはかわいいシールを貼ったり、問診に使うバインダーはキャラクターがデザインされたものを使用しています。

先行きが見えない厳しい環境のなか、ほんの少しでも笑顔になってもらうために。こうしたささやかな心遣いが“信頼できる診療所”として被災者に愛されるきっかけになるのかもしれません。

日本から持ってきたお薬袋がなくなってしまったため、急遽折り紙で作ることに。今回の支援で一緒に活動しているドライバーが手伝ってくれました

【ミャンマー 地震 緊急支援】寄付を受付中

ピースウィンズは、ミャンマーで起きた大規模地震による被災者を救うための支援を行っています。みなさまからのご寄付が活動の力となり、被災者の命を救い未来につながります。災害で苦しむ人びとのために、あたたかいご支援をお願いいたします。

※国外での支援活動のため、商品など物資寄贈のお申し出はお受けしておりません。

https://lp.peace-winds.org/support_myanmar_earthquake

▶2025年ミャンマー地震 緊急支援:Yahoo!ネット募金
▶緊急支援|ミャンマー地震へのご支援を:READYFOR
▶【ミャンマー 大地震】緊急支援を開始します:CAMPFIRE

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