【ネパール】「作を肥やさず土を肥せ」土づくりから販売まで!
ピースウィンズは、2015年地震の被害を受けたシンドゥパルチョーク郡にある中山間部の集落で、安全な水へのアクセス改善と野菜栽培の技術指導をしています。
今回のルポでは、野菜の栽培から販売に至るまでの活動を紹介したいと思います。
農業」から「売る農業」をテーマに農業を通じて農家の収入向上を目指しています
【栽培前】
水が乏しいシンドゥパルチョーク郡では、飲み水などの生活用水を優先しないといけないため、農業に使用できる水が限られています。また、雨がほとんど降らない乾季になると、ますます水が少なくなってしまいます。そのため、雨の多い雨季に水を貯められるように、人工池などの灌漑設備の資材を提供し、建設方法を伝授しました。
また、一年を通じて野菜を収穫できるように、ビニールハウスを建てるためのビニールを提供し、ビニールハウスでの野菜の栽培方法を伝授しました。
竹で作ったビニールハウス
プラスティック人工池の建設風景
【栽培前~栽培】
ネパール国内での新型コロナウイルスによる行動制限も緩和され、農家を集めて農業栽培のワークショップが開催できるようになりました。日本の「作を肥やさず土を肥せ」という言葉があるように、基本的な土づくりや苗木づくり、また換金性の高いトマトの栽培方法を指導しました。ワークショップが終わったあとも、農業専門家とスタッフが地域を巡回し、野菜の生育状況の確認や栽培方法についてのアドバイスを行っています。
苗づくり(冬野菜)研修
トマトの水やりの頻度を説明する農業専門家
【栽培~販売】
また、「売れる野菜」を目指すため、農家の経営能力向上に対するトレーニングを実施しました。このトレーニングでは、農家に対して基本的な帳簿のつけ方や「どのようにして自分たちの野菜に付加価値をつけて売るか?」というバリューチェーンに関する講座などを行いました。その結果、地域では独自に旬を遅らせて野菜の販売を始める農家も現れ始めました。
旬を遅らせ販売している農家
モニタリングを行うスタッフと農家
【販売】
最後に各農家が収穫した野菜を売るため、卸売用に納入する集荷場を設置しました。これまで、農家が野菜を自ら背負って運び、小売業者を見つけて個別に卸していました。集荷場がオープンしたこれからは、農家がグループを作って皆で集荷場に出荷し、集まった野菜の運搬作業を皆で協力して効率よく行ったり、販売量や品数を多くしたりすることにより公正な価格での取引ができるよう目指します。最終年度となる今年次は集荷場の運営がより持続的なものになるためフォローアップを行っています。
野菜の集荷場設置
引き続き、シンドゥパルチョーク郡での農業の取り組みを持続的・発展させるために地元農家・行政・各団体のつながりを深めながら事業を進めて参ります。
この事業は、外務省日本NGO連携無償資金や個人・法人の皆様のご支援を受け、ネパール政府や地元の方々のご協力を得て実施しております。皆様のおかげで、3年間の事業のうち、2年間を多くの実りある成果と共に完了することができました。誠にありがとうございます。
最終年度の3年次も引き続き皆様からのあたたかいご支援をどうぞよろしくお願い致します。
■ご寄付について
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■クレジットカードでの受付
ネパール支援寄付
■郵便局でのお振込
口座番号:00160-3-179641
口座名義:特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
通信欄 :「ネパール事業支援寄付」と明記してください。
■銀行でのお振込
三井住友銀行 青山支店
口座番号:普通 1671932
口座名義: 特定非営利活動法人 ピース ウィンズ・ジャパン広報口
※銀行振込はお振込み人様を特定できません。お振込み後に、HP問合せフォームよりご連絡ください。
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は広島県により認定された「認定NPO法人」です。
ピースウィンズ・ジャパンへの寄附は、寄附金控除の対象となります。
https://global.peace-winds.org/support/deduction
ピースウィンズ・ジャパン寄附金等取扱規程(2021年3月19日適用開始)
https://global.peace-winds.org/support/pdf/A13kihukin_20210319.pdf