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私たちの活動

【ウクライナ】戦時下で懸命に生きる子どもたちとケアを続ける家族

ミサイルが着弾したオフマディット小児病院には、高度な手術や治療を受けている重症の子どもたちがいました。その子どもたちはいま、他の病院に避難し、治療を続けています。
 
9歳のマカル君は、友人とサッカーをしていたところ、鉄のゴールが突然倒れ、頭部と右半身を強打しました。マカル君は脳しんとうを起こし、意識が戻ったのは数日後でした。頭蓋骨、右目眼窩、下あごの骨を折る大けがをし、小児病院で大手術を受けました。頭蓋骨の骨を繋ぐ手術も受ける予定です。右目を閉じることができないため、ガーゼで覆っています。
 

頭部に手術後の痛々しい傷が残るマカル君(中央)

 
「この子、またサッカーがしたいって言うんです…」と心配そうに話す母親。話を聞き思わず涙ぐむピースウィンズスタッフの横で、当の本人は「だって僕、サッカーが大好きなんだもん!」とにっこり。壮絶な体験をしたとは思えないほど明るく社交的です。早く元気になって、再びサッカーができる日が訪れることを願うばかりです。ピースウィンズは、マカル君の病室など5箇所にボイラーを設置しました。
 

マカル君の病室に設置したボイラー(右はマカル君の母親)

 
前年に母親を亡くした10歳のムィキータ君は、ロシア軍による侵攻直後、祖母のオクサーナさんとともに東部ルハンスクからキーウに避難しました。今年6月下旬、横断歩道を渡っていたムィキータ君は車にはねられ、腕や脚の骨折に加え、右脳に大きな損傷を受け、意識不明となりました。小児病院の集中治療室に運ばれ、手術を何度も受けましたが、いまも意識が戻りません。右脚には骨を接合し癒着させるための器具がつけられています。
 

現在のムィキータ君。事故から40日以上たった現在も意識が戻りません。

 
ムィキータ君は口から栄養を取ることができないため、腹部にチューブを挿入して粉ミルクを摂取しています。この粉ミルクは命を繋ぐために欠かせない大切な栄養源ですが、転院先の病院では数に限りがあるため、ピースウィンズは粉ミルクをムィキータ君に届けました。
 

事故に遭う2ヵ月前のムィキータ君

 
ムィキータ君の目は開くものの、光や音には反応しません。それでもオクサーナさんは、「きっとこの子は分かっていると思う」と、毎日のように好きなアニメを見せたり、話しかけたりしています。「先が見えないけれども、良くなると信じるしかありません。日本の皆さんの支援には心から感謝しています」と、ほおを緩ませました。
 

ムィキータ君の祖母オクサーナさん(右)

 
小児病院で重い病気やケガとたたかっている子どもたちは、目の前にミサイルが落ちるという悲劇に見舞われながらも、懸命に生き、家族は必死にケアを続けています。こうした子どもたちや保護者の負担を少しでも軽減するため、ピースウィンズは今後も支援を続けていきます。

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