【シリア】コロナ禍での配布支援の感染症予防とは
シリアの新型コロナウイルス感染は、予断を許さない状況が続いています。発表された感染者数は46,389人(3月18日現在)と周辺国と比べても多くはないのですが、そもそも検査数が少なく、検査の質にも問題があると懸念されており、実際には統計数字よりも多い感染者がいる可能性があると国連は警告しています。しかし、国の9割近くの人々が貧困下で暮らすシリアでは、物資の提供をはじめとした支援を止めるわけにはいきません。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は現地提携団体と協力し、感染症対策を徹底して、活動を続けています。
コロナ以前の配布支援では、事前にお知らせした場所に物資を受け取りに来てもらっていました。しかし、コロナ禍では、感染を広げないよう、またスタッフも感染しないように、状況に合わせて支援方法を工夫しています。
“密”を作らないように工夫した最近の配布の様子をご紹介します。
事前の準備として、1回に集まる人数をできる限り減らすために物資を受け取る人たちを少人数のグループに分け、グループごとに設定した受取り時間を各自に連絡します。
当日、業務にあたるスタッフはマスクと手袋を着け、こまめに手指の消毒をするよう徹底します。最近はフェイスシールドの着用も始めました。

物資を受け取りに来る人のリストをチェック中
会場では、入り口と出口を分けて、入り口で来場者の検温・手指の消毒を行います。下の写真にあるように、足元のマークに合わせて入場を待つことにもみなさん慣れてきたようです。


一緒についてきた女の子にも手の消毒を
また、受付場所など目のつくところには消毒液を設置し、いつでも手指の消毒ができるようにします。これも見慣れた光景になりました。

そして、物資を効率的に渡せるよう整え、ひとりずつ渡していきます。

箱の中には、食料品と衛生用品が入っています

持ち運びが大変な高齢者や女性には、スタッフがお手伝いします
新型コロナウイルス感染の先行きは不透明で心配が尽きませんが、現地のスタッフは、必要とする一人ひとりにきちんと支援が届くよう、できる限りの対策を尽くして取り組んでいます。
※本事業は、皆様からのご寄付のほか、ジャパン・プラットフォーム(JPF)からの助成金により実施しています。今後とも、温かなご支援をよろしくお願いいたします。
※シリアの現地情勢を考慮し、関係者に危険や不利益がおよばないよう活動地域の詳細は伏せ、写真の一部を加工しています。