【ウクライナ】5年目迫るウクライナ戦争、広がるインフラ破壊の影響

2022年2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、あと1ヵ月ほどで丸4年になります。アメリカを仲介役に両国の和平交渉が続く一方、この1月にもウクライナはドローンとミサイルによるロシアからの大規模攻撃をたびたび受けています。ロシアによる攻撃の主な標的は、エネルギーインフラ施設です。
極寒のウクライナを電力不足が直撃

1月に入ってエネルギーインフラ施設への攻撃がさらに激化し、キーウでは市内に供給される電力が「市民生活の維持に必要な水準の半分に落ち込んだ」と報じられました。ピースウィンズの現場からも「1/19 夜のキーウへの攻撃で5,635棟の建物が暖房の供給ダウン、キーウ左岸は寒さで配管が破裂し、断水状態。ピースウィンズのオフィスと駐在員アパートがある地域は電気、暖房、水道が完全にストップしている(1/20時点)」と伝えられました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、暖をとるためのシェルター増設や電力の輸入を増やすことで電力危機を乗り切る方針を強調する「エネルギー緊急事態宣言」を14日に発出しました。電力施設の復旧を急いでいるとのことですが、「夜間に気温がマイナス20度近くまで下がる極寒の中、作業は困難を極めている」とも報じられています。
これまでも最高気温が0度に届かないほどの寒さが続いていますが、これからの2週間はもっと寒くなる予報で、暖房の停止は大げさではなく命にかかわる大事態です。
ウクライナの暖房は、温水や温風などをパイプで各部屋に送って家全体を暖めるセントラルヒーティングが主流です。そのため、停電や燃料不足で供給が止まれば室内はまったく暖まりません。温かいお湯も出せないのでシャワーも無理、電化されたキッチンでは温かい食事も作れません(ピースウィンズ駐在員は、そのリスク回避のためにキッチンがガス対応のアパートを探しました)。
政府は、暖房や電気のある市外への一時的な避難を呼びかけており、ピースウィンズでもキーウ事務所を一時的に閉め、駐在員はキーウを離れました。ウクライナ人のスタッフたちも在宅ワークにして、近所の人と共同購入した発電機や湯たんぽなどに頼って暮らしています。

キーウ以外でも、エネルギー供給が乏しく、計画停電の実施などでしのいでいる地域が多く存在します。たとえば、ピースウィンズの事業地のひとつである西部のズヴィアヘルでも電力供給施設がダウンして、町には自家発電機の音が響き、ところどころで燃料の臭いが立ち込めているそうです。暖房や給湯システムが使えない、PCやスマホが充電できない、町では信号も止まるなど、停電が私たちの生活に与える影響は計り知れません。
終わりの見えない戦争は将来への期待を奪い、人の心と体を疲弊させます。ピースウィンズは長引く戦時下に変化するニーズに柔軟に対応しながら、ウクライナの人びとが平穏な生活を取り戻すその日まで、彼らに寄り添った支援を続けます。

