ウクライナUKRAINE
ウクライナでの活動
2022年2月24日、ロシアはウクライナに対して軍事作戦を開始しました。ピースウィンズは即座にスタッフを派遣、隣国モルドバに拠点を置き、避難所への食料・衛生用品・ペット用品の支援、医師をはじめとしたメディカルチームによる仮設診療所の運営、また提携団体を通じたウクライナ国内への医療物資の支援などを行ってきました。
現在、長期化する避難生活のニーズに対応するため、ウクライナ国内では心理社会・保護支援や病院への医療機器提供、食料・日用品の配付を、隣国のモルドバでは教育支援や食料支援を継続して行っています。
ウクライナの基礎データ
- 大陸・エリア
- 国・地域
- 首都
- 面積
- 人口
- 言語
- 民族
- 宗教
ウクライナで解決したい課題を教えて!
ウクライナでは現在、戦争の長期化で1,760万人が人道支援を必要としており、国内で家を追われた人は510万人、国外へ避難を強いられている人は620万人に上ります。
前線に近い東部、南部、北東部では、戦闘が激化しているため、多くの住民がいまも危険な地域に取り残されており、現地では支援団体などによって、人々の退避支援が続けられています。
ロシア軍による攻撃で、医療施設は955か所が損壊し、144か所が完全に破壊されました。一部の地域では、医療機器や医薬品も不足しています。医療サービスへのアクセスが限定的になっていることから、1,460万人が保健医療の支援を必要としており、960万人がメンタルヘルスのリスクに晒されています。
紛争に関連した性暴力やジェンダーに基づく暴力の被害件数も増加し、精神保健・心理社会的支援のニーズが高まっています。
また教育への影響も深刻です。ウクライナ全土で3,793の教育施設が被災し、避難した子どもたちが教育の機会を喪失したことで、学校で対面授業を受けることができているのは児童生徒全体のわずか3割にとどまっています。
ピースウィンズの活動を通して、改善されたことを教えて!
ピースウィンズは、2022年3月より支援活動を開始し、緊急支援として現地の提携団体を通じて食料や医薬品を配付しました。これまでに16州で支援活動を実施しています。
保健医療分野では、57か所の病院へ医薬品を、25か所の病院へ医療機器を提供して、患者のニーズに応じた医療サービスの提供に寄与しています。
また、被災した幼稚園を修繕したり、一時占領された学校へ物資を提供したりすることで、子どもたちが安心して教育を受けられる環境づくりに貢献しました。
東部や南部では、提携団体とともに前線付近に残っている脆弱な立場に置かれた住民の退避を支援し、11,000人がより安全な地域に避難することができました。
各地の避難所では、温かい食事を提供したり、日用品や衛生用品を提供したりすることで、人々が安心して避難生活が送れるようサポートしました。避難所の寝室や水回りの整備も67か所で実施し、生活環境を改善させました。
また、専門家による精神保健・心理社会的支援や法的支援も提供し、これらの活動を通じて、戦争の影響を受けた25,000人に支援を届けることができました。
今後活動を続けるにつれ、より改善できそうな所は?
ロシアの軍事進攻が続くウクライナでは、長期化する戦争の影響で心身の不調を訴えるケースが後を絶ちません。
しかし、こういったニーズに対応するための医療やメンタルヘルスの支援が十分行き届いていないことから、多くの人々が不調を抱えたまま日常生活を送ることを余儀なくされています。
この状況を改善するため、ピースウィンズは2023年10月、侵攻当初にロシア軍の占領下にあったウクライナ北部において、提携団体とともに特に女性を対象とした巡回診療(モバイルクリニック)と精神保健・心理社会的支援を開始しました。
この活動は、医師、看護師、臨床心理士などからなるモバイルチームが、支援へのアクセスが制限されている村々を巡回し、診療とコンサルテーションを通して女性の身体的・精神的な苦痛を軽減することを目的としています。
このような、戦争下でさまざまな制限を受けて生活せざるを得ない人々の負担を少しでも減らしていくため、よりきめ細やかな支援を届けていきます。
SUPPORTご支援のお願い
支援が必要な人々のために
できること
ピースウィンズは世界各地で起こる紛争や災害などの危機に
いち早く駆けつけ、危機にある命を支援します。
また、傷ついた命が自分たちの力で歩んでいけるよう、
復旧・復興・開発に寄り添います。