うちの村にようやくトイレができました
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、リベリアの帰還民支援の活動として、これまでに住居建設支援や教師用宿舎の建設などを実施してきましたが、今日は住民と協力しながら行ってきた、ボミ州ゾンバーマン(Zohnbarmun)村でのトイレの建設事業を紹介します。
PWJが支援対象として選ぶ村の中には、トイレが一つもないところも決してめずらしくありません。人びとはこれまではトイレがないために、住居から少し離れたくぼみや木陰などで、人目を気にしながら屋外で用を足してきたのです。したがって、トイレの整備に当たっては、どこにトイレを作るかを村人たちと話し合って、トイレの作り方を指導するところから始めます。トイレの建設に適している場所としては、住居に近すぎないことや、何軒かの家族が共同で1か所のトイレを使うため、みんなが使いやすい場所であること、などを考えてトイレの場所を決定します。
そして、いよいよトイレの建設に取りかかります。セメントなどの資材はPWJが提供し、まずは、穴にかぶせて用を足す際の足置きになる、「スラブ」と呼ばれる部分をセメントを固めて作ります。それを乾かしている間に、深さ2mくらいのトイレの穴を人力で掘ります。穴の上にスラブを設置したら柱を立てて屋根を付け、通気口を設けます。壁に土を盛り、ドアを取り付けてトイレの完成となります。
スラブを乾かす
(C)PWJ/Osman Issa Hassan
柱と屋根ができたところ
(C)PWJ/Osman Issa Hassan
写真左:完成したトイレ 写真右:トイレの内部
(C)PWJ/Maho MIURA
トイレが完成した後は、村の代表を集めてワークショップを開きます。ワークショップでは、正しいトイレの使い方や、新しく作ったトイレを清潔に使用するために必要なこと、また衛生面で気をつけなくてはいけないこと、村人たちでできる修理の仕方などを話し合います。村人たちは、自分たちの生活に大きく関わることであるため、熱心に話を聞いて、たくさんの質問をしていました。
写真左:衛生指導の様子 写真右:熱心に話をきく村人たち
(C)PWJ/Maho MIURA
今まではトイレがなく外で用を足しており、非常に不便に感じていた村人たちは、「PWJのおかげで、うちの村に自分たちでトイレを作ることができた」と大喜びで、誇らしげに完成したトイレに私を案内してくれました。人びとが衛生的な環境で暮らしていくことができるよう、いろいろな形での支援の取り組みを今後とも続けていきます。
トイレの前でポーズをとる子どもたち
(C)PWJ/Maho MIURA