【ハイチ】大きい魚が捕れたぞー!!被災した漁業組合に資材提供や研修を
2024年度、ピースウィンズは、ハリケーンや地震などで被災した漁業組合APEDESUD (Association des Pêcheurs de la Deuxième Section de Saint du Sud)に対して、船などの漁業関連資材の提供、組合運営方法や魚介類の加工技術などの研修を行いました。
APEDESUDはハイチの南県サン・ジャン・ドゥ・スードという地区の海辺に2013年9月26日に設立した漁業組合で、男性30人、女性40人が所属しています。2016年のハリケーンマシュー、2021年の大震災で漁具が流されるなど壊滅的な被害を受けてしまい、事業開始時の組合の利益は月20ドルほどでした。また、漁業組合としての体制が整っていないため、継続的、安定的な組織運営するための知識が不足していました。そのためまずは、組織体制強化を目指した研修を組合員に行いました。自分の行動に責任を持つこと、協力するためには良好なコミュニケーションが大事であること、事業計画をきちんと立てること、そしてそれを忍耐強く全うすること、などを講師から学びました。


研修後、組合に新しい船とモーターエンジンや漁獲用の網などの道具を提供しました。これまでは木の船を手で漕ぎ、漁に出ていたため、近場の海でしか活動できませんでしたが、エンジンがついたことにより沖のほうへ出て、これまでより大きな魚をたくさん捕ることができるようになりました。新しい船がとてもうれしかったようで、組合員皆で船をきれいに塗装しました。





捕れた魚を市場へ新鮮な状態で運ぶために必要なクーラーボックスや冷蔵庫も提供しました。電気が通っていないのでソーラーパネルを使います。


ハイチでは日本のように干し魚を食べる習慣があります。特にスープに入れて食べるのが大好きです。そのため、捕れた魚を干物にして販売する加工技術研修も行いました。



本事業期間中は、特に都市部で武装したギャングによる攻撃が続き、首都で購入した船や物品を事業実施地域まで運ぶのに大変苦労したり、ハリケーンの時期は研修ができなかったりなど事業運営は困難続きでしたが、現地スタッフの努力により無事乗り越えることができました。組合員の皆さんも事業に意欲的に参加し、新しい知識や技術をしっかり学んでいました。組合員を代表して2名の方のコメントです。

私たちは漁師集団としての管理力や組織力を磨くことができました。研修内で得られた知識は、組織内の協力関係をより強化し、持続可能な漁業を促進するための具体的な考え方やツールを提供してくれました。この研修により、様々な課題に対処する対応能力が強化されたことは間違いありません。私たちは、より良い未来のためにこれらの新しい能力を引き続き実践していこうと思います。

魚の漁業、加工、保存に関する貴重な研修をして頂いたことに感謝します。私は魚販売者として、これらの分野ですでにある程度の経験がありましたが、この研修では私に新たな経験と新しい発見がありました。私が学んだ最新の加工と保存方法は、商品の品質を向上させるだけでなく、商品をより長く保存できるようになり、それが販売に繋がるという事です。研修のおかげで、現在の収入は増加し、顧客も少しずつ増えていくと思います。
2025年度も引き続き、漁業組合APEDESUDを支援していきます。今年度は特に販売に力を入れ、売り上げ費用を管理し、船やバイクのガソリン代などの維持管理費をまかないながら、組合員の収入向上目指して取り組んでいきます。
※本事業は、クラレ財団からの寄付金や個人・法人の皆様による寄付金により実施しました。今後とも、温かなご支援をよろしくお願いいたします。