【イラク】シリア難民約3,900世帯の住まいを改善
ピースウィンズでは2018年から、米国国務省人口・難民・移住局(PRM)からの助成金と皆さまからのご寄付により、アルビル州にある4つのシリア難民キャンプの住まいを改善する事業を開始し、2020年からは本助成金での同様の活動をドホーク州の2つのシリア難民キャンプにも拡大しています。
2022年はあらたに1,074世帯を支援し、2022年8月までに計3,883世帯のシリア難民の住まいを改善し、住まいの耐久性と安全性だけではなく、彼らの尊厳を高めることに貢献しました。
改善した住まいと受益者
住まい(トイレ・シャワー室)の改善前
住まい(トイレ・シャワー室)の改善後
2020年からは、障がいのある大人や子ども、高齢者、妊娠中の女性など、移動をする際に困難をかかえているシリア難民に焦点を当てているため、彼らが安全にキャンプ内を移動できるよう、アルビル州のシリア難民キャンプでキャンプインフラの改善も行っています。2022年はあらたに26のキャンプ内公共施設のアクセスを改善し、2022年8月までに計68のキャンプインフラの改善を行いました。
2022年8月現地を訪問し、キャンプのコミュニティセンターのアクセス改善状況を視察する本部スタッフ(写真中央)
また、支援対象キャンプのシリア難民を本改善工事の作業員として雇用し、短期雇用の機会を提供するキャッシュ・フォー・ワーク(Cash for Work, CfW)も実施し、雇用創出にも貢献しました。2022年は4,290名の作業員(内978名が女性)がCfWに従事しました。
CfWで改善工事に従事するキャンプ住民の女性(写真中央)
2022年8月に現地を訪問し、受益者(写真中央)に改善後の生活状況についてインタビューする本部スタッフ(写真左)
2022年9月中旬にはPRM、現地関係当局、支援対象キャンプのキャンプマネージャー、国連機関、NGO、ビジネスセクターの関係者を招待し、本活動の成果報告会を開催しました。成果報告会では、成果の発表に加え、現地における難民・避難民の生計向上や経済的機会とその可能性に焦点を当てたパネルディスカッションを行い、同分野にかかわる現地関係者が一堂に会し、課題やその対応策、イノベイティブな実践事例の共有、会場からの質疑応答なども交え、活発な意見交換の場となりました。
成果報告会の様子(2022年9月12日開催)
2011年に始まり、終息がみえないシリア内戦。ピースウィンズが支援を行うイラク北部クルド人自治区には今もなお25万人のシリア難民が避難生活をおくっています。ピースウィンズは、シリア難民の生活を改善し、誰もが享受すべき安全な住まいと尊厳を取り戻すために支援を継続していきます。
※本事業は、米国国務省人口・難民・移住局(PRM)からの助成金と皆さまからのご支援で実施しています。
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