西日本豪雨被災者支援8ヶ月活動報告
西日本に大きな被害をもたらした西日本豪雨の発生から約8ヶ月が経過しました。避難所は全て閉鎖されましたが、現在も約5,400世帯(2018年12月時点)が仮設住宅・みなし仮設住宅・公共住宅での暮らしを余儀なくされています。壊れた自宅を補修しながら暮らす人もいます。倉敷市によると同市真備町の人口は豪雨の前と比べて2,000人以上少なくなりました。
小学校の校庭に他の小学校の仮設校舎が建っているところもあり、また遠くなってしまった学校までバス通学をしている子どもたちも大勢います。 依然として、流入した土砂の撤去作業が続いている家、浸水後の修繕が手付かずのままの家もあります。
このように被災地には多くの豪雨被害の爪痕が残っています。被災された方には心からお見舞い申し上げます。
災害発生直後から現地入りしたピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、刻々と変わるニーズに応じて現在も支援活動を続けています。多くの個人や企業、団体の皆さまからのご寄付や、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームの助成金を活用して実施し続けている活動をご報告します。
ほとんどの医療機関が被災した真備町ですが、献身的な努力の末に診療を再開するところが増えてきました。PWJは、医療機器の提供による再開支援だけでなく、開業情報を広く住民の皆さんに提供することを、吉備医師会や倉敷市と協力して行っています。
12施設の医療機関のうち、11施設が被災した真備町で、診療再開を目指す医療機関に、ニーズに応じて内視鏡や心電計、顕微鏡などの医療機器や備品を提供しました。当初、再開ができるか不安を抱えられているクリニックもありましたが、同町での迅速な診療再開につながりました。
まび記念病院では、病棟だけでなく院内保育園も被災し使えなくなってしまいました。被災後は隣接する総社市の公民館で子どもを預かるなどしていましたが、病院内での早期活動再開に向けて、遊具や空気清浄機、調理器具などに加え、避難用のチャイルドカーや避難グッズを提供し、再開の後押しをしました。
広島、岡山県の高齢者や乳幼児や障がいをお持ちの方等、特に支援が必要な約1,500世帯に、生活家電の提供をしました。当初は仮設住宅に入居される際の生活再建支援として行っていましたが、在宅避難の方々に支援が行き届いていない現状から、活動を拡大して続けています。発災から半年以上がたった今なお、被災し、生活用品を失った自宅で寒さと闘いながら生活している方の数は決して少なくありません。
認知症の方やその家族が集まって交流する「オレンジカフェ」。ここのコーヒーメーカーや食器の全てが失われてしまいました。このため、PWJはこれらを提供し、カフェの再開を支援しました。高齢者の皆さんが定期的に集まり、元気になれる場作りをお手伝いすることができました。
風邪やインフルエンザが流行する季節に、被災した川辺小学校で体調管理のための講習会を行い、マスクと体温計を提供しました。川辺地区はほぼすべての家が被災し、授業は別の小学校の仮設校舎で行われています。そのため、多くの児童が混み合うバスで通学しており、体調管理に不安をもつ保護者からのリクエストに応じてこの支援を行いました。
岡山県、広島県、愛媛県にて特に脆弱者世帯が入居する応急仮設住宅、みなし仮設住宅や公営住宅に入居された方や在宅避難者を対象に、寝具セット・キッチン用品・冬用防寒具 計1,024個を支援しました。
真備町にある訪問看護ステーションは、2か所とも被災してしまいました。パソコンや車、血圧計等、訪問看護に不可欠な備品も失われてしまいましたが、最も深刻だったのは、それまで紙で管理していたカルテが失われてしまったことでした。このため、PWJは備品に加えて電子カルテシステム導入の支援を行いました。データをクラウドで管理することで、カルテが失われる心配がないだけでなく、作業の効率化も期待できます。
認知症のお年寄りの宿泊・日帰り・訪問によるケアを行っていた「ぶどうの家」。ぶどうの家の事業所が被災してしまいました。この事業所を修理する間の、仮事業所の修理と備品の提供を行いました。「ぶどうの家」は、被災後も活動を止めることなく、「生活弱者」になりがちな認知症高齢者の居場所を提供し続けています。
「ぶどうの家」被災直前のインタビュー記事:https://crasapo.net/column/budou-no-ie/
各地で土砂崩れが発生した広島県では、地元のNPO「コミサポひろしま」と協働して活動を続けています。特に呉市では、土砂に埋もれてしまった家から土砂を撤去し清掃する作業や、ビニールハウスや畑から土砂を取り除いてまた農作業が再開できるよう支援を行っています。
障害のある子どもや発達に特性のある子どもたちに、放課後等デイサービスを行なっていた「ホハル」の施設は豪雨で全壊しました。発災後1ヶ月で再開を果たしましたが、寒い時期に足元を温める暖房器具がなく、子どもたちは冷たい床の上で放課後を過ごしていました。このため、PWJはホットカーペットや空気清浄機、救急箱等の備品を提供しました。いざという時の救急箱は職員のみなさんに安心感を与えることもできました。
ホハルの紹介記事(Ready For):https://readyfor.jp/projects/hoharu
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皆様からのご支援はこのように支援の必要な人びとに届けさせていただきます。PWJでは引き続き、西日本豪雨被災者支援に対するご寄付を受け付けております。温かいご支援をお待ちしております。
■クレジットカードでの受付
こちらから:西日本豪雨支援
■郵便局でのお振込
口座番号:00160-3-179641
口座名義:特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
通信欄 :「 大雨洪水支援2018 」と明記してください。
■銀行でのお振込
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口座番号:普通 1671932
口座名義: 特定非営利活動法人 ピース ウィンズ・ジャパン広報口
※通信欄に、「大雨洪水支援2018」とご記入ください。特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は2014年12月、広島県より「認定NPO法人」として認可されました。これにより、2010年4月1日以降にいただくご寄付は、寄付金控除の対象となります。くわしくは寄付金控除(認定NPO)についてをご覧ください。
※様々なサポートをするためにご寄付のうち最大15%は運営費(事務所の管理運営費、調査・提言活動のための費用など)として活用させていただきます。また、今回の支援が終了した場合、今後のレスキュー及び被災者緊急支援の準備に活用させていただきます。