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【パレスチナ】ガザ地区空爆開始から2ヵ月。即時停戦を!

12月1日に休戦の期限が切れ、戦闘が再開してしまいました。イスラエル軍による空爆、地上侵攻は一層激しさを増し、避難所となっている学校や病院等への容赦ない攻撃が今も続いています。
12月5日現在で既に6,600人の子どもを含む15,899人以上が殺害されました。
 


11月30日、破壊された街並み

 
現在はガザ地区北部に加えて中部でも地上侵攻が行われており、パートナー団体のスタッフは「イスラエル軍の戦車が迫ってきたため避難した。明日自分が生きているかも分からない。飲み水を求めた人が殺到しているが、燃料不足で淡水化施設も稼働しておらず、状況は悪化する一方だ」と語ります。
 
当団体のスタッフの一人は既に自宅が破壊され、一緒に避難生活を送っていた姉の夫と娘は、別の場所に避難しようとしたところをイスラエル軍に射殺されました。そのとき、娘はまだ息があったのですが、救出に向かう人々や救急車も銃撃されたため救助できず、失血で命を落としたとのことです。「2週間、彼らの遺体に近づく事もできず、11月下旬の一時休戦でようやく埋葬できた」と聞きました。
 


11月30日、無残に破壊されたスタッフの車

 
もう一人のスタッフも「周囲の建物はほとんど破壊され、近くの総合病院も激しく攻撃された。飲み水は底をつきかけ、友人や親戚の安否確認もできない」と語っています。
 


11月30日、破壊されたスタッフの家に残る不発弾

 
以前からガザ地区は慢性的な物資・エネルギー不足の状態にありましたが、戦闘開始以降は支援物資をガザの外から入れることがまったくできなくなりました。10月21日に人道目的の物資をエジプトから少しずつ入れられるようになり、11月24日からの休戦中にガザに入るトラックの数は1日あたり200台前後に増加していました。しかし、戦闘再開後は1日あたりで多くて50台と、エジプト国境から運ばれる物資の数が極端に少なくなっています。エジプトからガザに搬入される物資のイスラエル当局による検査には時間を要し、蓄電池や太陽光パネルの搬入は禁止される等、物資の内容にも厳しい制限が設けられています。また、エジプトとガザの境界にあるラファ検問所は元々人の出入りのために作られたもので、大量のトラックの通過に対応できる構造になっていません。その結果、水、電気、燃料、食料、医薬品を始めとする物資はいよいよ底をつきかけ、飢餓や栄養失調が危惧されています。また、数百人がいる避難所にトイレが一つしかなかったり、十分な広さがなく過密状態になっていることに加え、11月にガザは雨季に入り、衛生面の懸念も高まっています。実際に感染症が急拡大しており、国連機関は「病気が空爆以上に人々の命の脅威となる可能性がある」と警鐘を鳴らしています。
 


11月30日、ピースウィンズが支援する避難所で生活する人々。左から二番目が当団体スタッフ

 
ピースウィンズは10月7日の情勢悪化からこれまでに、ガザ地区内で調達した食料、水、衛生用品、温かい食べ物等を約1,500世帯、約10,000人に提供してきました。
 


11月30日、ピースウィンズが支援する避難所でパンを焼く様子。燃料不足のため、紙きれや木の枝を燃やしている。

 
また、エジプトで手配した2,000世帯分の食料が12月5日にガザに入りましたので、直ちに配付に取り掛かります。
 


12月5日、ラファ検問所に到着したピースウィンズの支援物資

 
ガザのいたるところで展開される武力攻撃が止まらず、ガザの人道危機は日々「最悪」が更新されています。現地との通信も困難で、今後の支援活動は一層困難になることが予想されますが、今後も「必要な人に必要な支援を」を合言葉に、あらゆる手段を用いて支援活動を継続してまいります。
 
 
また、イスラエル・パレスチナ双方で無辜の市民がこれ以上犠牲にならないために、一刻も早い停戦を訴えてまいります。
 
支援者の皆様のお力添えを、何卒よろしくお願い申し上げます。
 
 

 

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