【フィリピン台風被害 緊急支援】地震被災地のセブを再び襲った悲劇 今必要な支援は

フィリピン・セブ島を強力な台風が襲い、街が洪水被害に見舞われてから3日。日常を取り戻している場所も多い一方で、低地などの要因で被害が拡大した地域は今も家や道が泥に覆われ、復旧の道筋が見えない状況にあります。
9月末に発生した大地震からの復旧に向けて歩き出したばかりのセブ島を襲った再びの悲劇。二重災害に苦しむ人びとを少しでも支えるべく、地震支援で現地入りしていたピースウィンズチームが、これまでの現地での活動経験を生かして台風支援にも取り組んでいます。
20分で屋根まで浸水、洪水の傷跡

「家に洪水が流れ込んで、道路の向こうの2階の建物まで泳いで避難したんだ」。そう話してくれたのは、被害の大きかった地域の一つ、Liloanに住む男性。今回の台風では、洪水が1階の天井に達するまで約20分という脅威的なスピードで増水が進んだといいます。やむを得ず泳いで移動する途中、漂流物によって足をケガした彼の母親は、今もちゃんとした治療を受けられていません。

この地域一帯の家屋は今も床が泥に覆われていて、場所によっては、足を踏み入れた瞬間にくるぶしまでズボッと埋まってしまうほど。そんななか、彼らのなかには避難所には行かず、家の近くの外にタープを張って過ごしたり、自宅で暮らし続ける人も。家に流れ込んだ大量の泥を地道にかき出す、気の遠くなるような作業をしている人たちの姿があちこちで見られました。この地域の被災者に対しては米などの食料配付が一度あったものの、自宅の片付けは完全に自助努力に委ねられています。
深刻な被害はセブ島各地で

フィリピン当局は6日時点で、この台風被害を受けて50万人を超える人が避難を余儀なくされており、影響を受けている人は246万人に上ると発表しています。
私たちピースウィンズは7日、協力団体とともに、前述のLiloanやTalisayなど、被害が大きいと言われている地域や避難所をニーズ調査のため回りました。



避難所となっているマンダウエ市の小学校には、300世帯以上が避難しています。その数はどんどん増えており、避難者に配付物資が行き届かない原因になっているといいます。
さらに、現在避難のため休校となっている小学校は、来週から再開することが決まっています。これだけの人数を受け入れられる新たな避難先を週末のうちに探さなくてはならない、と地区の担当者は苦悩を話してくれました。
被災者に寄り添った支援へ

被災地域で共通の問題となっていたのが、飲み水や生活用水の確保です。洪水の影響で給水パイプが破損した場所が多く、給水車による支援もまったく足りていない状況でした。私たちは調査を通じて水を最重要ニーズととらえ、貯水タンクの支援などを準備しています。
すでに非常に脆弱な環境に置かれていた被災者を追い詰めるかのような台風と洪水の発生。日曜日にフィリピンのルソン島に接近すると予想されている台風26号の影響も懸念されます。私たちは引き続き状況の変化を見極めながら、被災者を救うための最善の支援を追求し、活動を続けます。
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