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私たちの活動

【ウガンダ】チャカII難民居住地区で農業技術研修を実施中!

「土の乾燥を防ぐために、マルチング(注1)しないと。」
「トマトの背丈が大きくなってきたから、棒を地面にさして茎を結んで、倒れないようにしないとせっかくなった実が土に埋もれてしまいます。」
 
ピースウィンズ・ジャパン(以下、ピースウィンズ)の農業オフィサーが農作業に取り組む人びとに、アドバイスをしていきます。
 


農作業に取り組む農家の人びと。女性の参加が男性よりも多いです

 
ウガンダ西部に位置するチャカII難民居住地区にピースウィンズが設置した畑では、毎朝、難民と、難民居住地区で生活を送る現地の人びと(以下、ホストコミュニティ)が一緒に、農作業に取り組んでいます。10月のある日も、グループごとに分かれて、草むしりや土地の耕作など一生懸命に行っていました。
 
10月15日は世界食料デーでした。「食料への権利」は、わたしたちの基本的人権のひとつであり、すべての人が適切な食料を得る権利があります。しかし、ウガンダでは、約170万人というアフリカ最大規模の難民を周辺国から受け入れる中、国際社会からの支援金が縮小し、食料支援の削減、気候変動の影響や物価の高騰などの理由によって、難民もホストコミュニティの人びとにとっても食料確保が重要な課題となっています。この課題に対応するため、ピースウィンズは、2024年3月末日から、チャカII難民居住地区において、農業技術研修事業を開始しました。
 


発芽した芽を抜かないように慎重に草むしりをして、土壌を整えます

 
この事業では、すでに農業に取り組んでいる難民とホストコミュニティが、気候変動の影響を鑑みた農業知識を学び、それを活かしながら、限られた土地でより多様な作物を栽培し、収穫量を増やします。それによって、家庭内での消費のためだけでなく、農作物を販売できるようになることで、収入を得られるようになること、それにより人びとの食料の確保が改善され、栄養不良が緩和することを目指しています。このため、ピースウィンズは農業技術研修用のセンターと農地を建設し、15人の難民とホストコミュニティの農家に対して座学と実践を組み合わせた技術研修を実施しています。
 


農業オフィサーは、農家グループのメンバーに農地で実践指導を行います

 
さらに研修を受けた15人の農家に対し、それぞれ農業グループを設置するよう働きかけ、ピースウィンズが設置した農地で、研修を受けた農家が農業グループメンバーに研修で得た知識と技術を共有します。トウモロコシ(注2)、大豆、トマト、玉ねぎ、ピーマン、キャベツ、ビートルーツなどさまざまな野菜の種を、植えてから数ヵ月経った10月、ついにビートルーツとスクマウィキ(注3)が収穫時期を迎えました。
 
「このビートルーツは2,000ウガンダシリング(約82円)、この大きさなら3,000ウガンダシリング(約123円)で売ることができます。」
 
そう農業オフィサーが話すと、収穫していた農家の人びとからは「ほんとうに?!」「マーケットを探さないと!」と、わくわくした声があがりました。
 


収穫したビートルーツを手に持つ農家とピースウィンズの職員
 

収穫したスクマウィキ
 

ピースウィンズの職員が収穫したスクマウィキで調理してみました

 
「自宅の土地で、研修で習った野菜を初めて栽培し始めました。」
「研修で教わったように畝を作り、苗の間隔をあけたので、今年は収穫が増えるのではと楽しみにしているんです。」
 
研修を受けた農家の人びとは、ピースウィンズが設置した農地だけでなく、自分たちの土地でも習ったことを実践し、少しずつ、農家の人びとの自信や意欲が高まっています。
 
センターと農地を拠点に、チャカII難民居住地区の難民とホストコミュニティの食料への権利を改善していくために、農家の人びととともに農業、そして収穫した農作物の販売にも取り組んでいきます。
 


収穫の時期を待つトマトや豆。順調に、すくすく育っています

 
本事業は、外務省の日本NGO連携無償資金協力による助成、ならびにみなさまからの温かいご寄付により、実施しております。引き続き、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 
注1) マルチング: 畑や花壇、プランターなどの土の表面を資材でおおう方法です。記事内2枚目の写真では、畝の周りに見えるのは、土壌の水分を保つために乾燥させた植物を土の表面に敷いてマルチングをしている様子がわかります。
注2) トウモロコシ:日本で販売されている甘味の強い黄色いとうもろこしとは異なり、調理して食べる甘味の少ないトウモロコシが育てられています。ウガンダを含むアフリカ東南部では、このトウモロコシを乾燥させて、製粉し、お湯で練り上げたもの(ポショ)を主食としてよく食べられています。
注3) スクマウィキ:ケールの一種で、主食となるマトケ(調理用バナナ)やイモ類、ポショ(注2参照)と、スープのつけ合わせでよく食べられます。

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