【ウクライナ】「以前と同じように治療を」 重い病気とたたかう子どもたち
ロシア軍によるオフマディット小児病院への攻撃では、340人の患者がキーウ州内の他の病院への転院を余儀なくされました。術後すぐや、自分では動けない重い病状の子どもたちも移送を強いられました。
小児病院から転院となった1歳3ヵ月の男の子は、脊椎が結核菌におかされる病気(脊椎カリエス)で、手術したばかりで背中に大きなガーゼが貼ってありました。肌のあちこちにはかぶれた跡もあり、おむつもかぶれてしまうことから、裸で過ごしています。転院先の病室にエアコンはなく、気温や湿度も高いため、扇風機が欲しいとの要望がありました。
交通事故で脳を損傷して意識不明の10歳の男の子は、小児病院の集中治療室(ICU)で治療を受けていました。この男の子も空爆後は転院となり、家族が24時間付き添っています。口から栄養を取ることができないため、腹部にチューブを挿入して粉ミルクを摂取していますが、わずか2日で1缶使っているとのことでした。
脳腫瘍を患っている16歳の男の子は、運動麻痺などの神経症状があり寝たきりのため、24時間体制のケアを必要としています。原則移動させるのは良くないほど病状は重いにもかかわらず、空爆後は他の病院への緊急避難を強いられました。現在は、オフマディット小児病院に戻って治療を受けています。
このような重度の病気を抱える子どもたちにとって、他の病院に移るのは負担が大きく、今までの担当医がいない転院先の新たな環境に慣れるのは容易ではありません。ピースウィンズは、被害を受けながらもこのような重い病気とたたかう子どもたちが、以前と同じように治療に専念できるよう、必要とされている物資を届けています。