【ハワイ・マウイ島】大規模火災から2年、交流の場の整備と心のケアで、地域に“明日”を届ける
2025年8月8日にマウイ島を襲った大規模火災から2年を迎えました。この火災では2,200軒を超える住宅が焼失し、1万人以上が故郷を失いました。ピースウィンズは発災直後から被災地で緊急支援を開始し、動物支援団体への物資提供や、被災コミュニティに向けた心理社会的支援活動を実施してきました。昨年9月からは現地の非営利団体Family Life Center(FLC)と協同し、彼らが運営する仮設住宅地Ohana Hope Villageに住民同士が交流できる遊具を中心としたコミュニティスペースの整備に加え、被災者を支えるスタッフの能力強化研修を行いました。
◆コミュニティスペースがつくる“新たなつながり”
多世代・大家族が安心して過ごせるこの仮設住宅地には、子どもたちの遊び場と、保護者・住民同士が交流できるコミュニティスペースを設置しました。仮設住宅地内にあるので、子どもたちは安全に思い切り遊ぶことができ、また仮設住宅地の住民たちにとっては、ここでもう一度“つながり”を築き直せる場所となっています。

◆心のケアの体制を強化
加えて、被災者を現地で支えるスタッフが、被災者の置かれている状況の理解を深め、より適切な支援を提供できるよう、子どものグリーフサポートやトラウマインフォームドケア(※1)など災害対応に特有の知識を強化するための研修を実施し、心のケアの体制整備に貢献することができました。研修参加者からは、「明日からでもすぐに現場で活かせる内容だった」、「子どもや家族の方が安心して表現できる場づくりをこれから実践したい」といった声が寄せられました。
(※1)トラウマインフォームドケアとは心的外傷(トラウマ)の理解と生活環境に及ぼす影響についての一般的な知識を持った関わり・支援。



◆確かな“希望”
火災で住まい・家族・地域を失った被災者の中には、今なお困難な状況に立たされている方も少なくありません。そのような中で、Ohana Hope Villageに生まれたこの場所は、一筋の希望の光です。交流の場で交わる笑顔と会話が新しい絆を結びはじめています。
これまで多大なるご支援を寄せてくださった皆さま、本当にありがとうございました。皆さまのお力でコミュニティに確かな希望とつながりが生まれました。心からの感謝と、今後も現地の人々の歩みに温かいまなざしをお寄せいただけますようお願い申し上げます。
※この活動は、ジャパン・プラットフォームからの助成金や皆さまからのご寄付により実施しました。