広島で開催されるG7サミットに寄せて
主要7カ国首脳会議(以下、G7サミット)が、ピースウィンズ本部のある広島県で開催されています。この機会に、広島県に本部を置くNGOとして、世界の平和が少しでも現実となるよう議論が進むことをのぞみます。
G7開催に先立ち、ピースウィンズはG7の市民社会を代表する公式エンゲージメントグループであるCivil7C7の人道と紛争にかかわるワーキンググループに積極的に参加し、私たちの声を届けてきました。長期化する紛争と気候変動による自然災害や飢餓の危機が深刻化する中、現在、世界で23人に1人が人道支援を必要とし、3億5,000万人が人道支援と保護を緊急に必要としています。ピースウィンズは、数百人のスタッフが、日本や世界で困難に直面している人びとに対して支援を提供し、人道支援や開発の現場で、中東、アフリカ、アジア、アメリカ、太平洋州で活動を続けています。多くのみなさんに支えられていますが、まだまだ支援が必要な人が残されています。
ウクライナでの支援では、核兵器の脅威が現実的なものとして人々の生活の一部に存在していることを実感する機会が多くあります。この問題は現地での支援事業の実施で解決できることではなく、広島で開催されるG7で核兵器の廃絶に向けた議論が少しでも前進してほしいと思います。また、ウクライナの人道危機以外にもアジア・中東・アフリカで自然災害や紛争によって、多くの人が支援を必要としています。忘れられた顧みられないような危機に対しても、必要な支援が十分提供できるよう、声をあげていく必要があると感じています。広島で78年前に起きたことについて思いをはせ、G7と世界の指導者が政治対立を超えて議論を進めていけるよう、強く望みます。