【ピースワンコ・ジャパン】わんにゃんデイケアハウスの運営
7月6日、岡山県倉敷市真備町一帯は、河川の決壊によって町全体がまるで湖のようになってしまいました。
多くの住宅が浸水し、住民は避難所での生活を送ることを余儀なくされました。被災したのは人だけではありません。ペットも同様で、犬・猫・馬など動物も被災しました。動物と避難所に同行避難できるとは言え、現状は困ることもたくさんあり、特に夏の暑い時期にペットを避難所に残して日中自宅の片付けに行くというのも心配です。
そこでピースウィンズ・ジャパンでは、トレーラーハウスを利用したペットの一時預かり施設「わんにゃんデイケアハウス」の運営を始めました。運営には岡山県獣医師会・倉敷市保健所・岡山県内の訓練士やトリマー、県内のボランティアさんにご協力をいただきました。デイケアハウスでは、預かり業務のほかに企業などから支援いただいたペットフード・グッズなども用意し配布。またペットサロン協会からトリミングサロンカーを借りて、シャンプーやトリミングなどもボランティアトリマーさんが行います。8月から2カ月間で延べ320頭の犬猫が利用してくれました。通ってくる犬猫たちの状況はさまざまです。仕事が再開し避難所にペットだけを残していくことに不安がある方や、市外に避難しているが、日中自宅の片付けに行く方、市役所や病院に行くという方、そういった方が行き帰りに送り迎えにきます。飼い主さんが迎えにくると、車の音でわかる子もいて大喜びする姿をみると、やはり家族一緒がいいなと思います。
毎日来られた皆勤賞は、大型犬雑種のポポ君。ポポ君は自宅外で飼われ、当時浸水する水の中を泳いでいるところを助けられました。今でも雨の日は怖がります。飼い主さんが車も失った為、ポポ君はボランティアさんたちが交代で、毎日送り迎えをしています。通い始めた頃は、大きな声でずっと吠えている状態だったが、多くの人が彼の世話に携わることで人懐っこさが増し、大きなサークルの中で安心して横になることもできるようになりました。ポポ君のご家族は仮設住宅への入居が決まっているが、仮設住宅が狭く、外での飼養が許可されていない為、今後のポポ君の飼養環境を検討する必要があります。訓練士を含めみんなで、トレーラー内に入れて室内生活やケージに入るトレーニングをし、室内で落ち着いて伏せていることもできるように。早くポポ君と飼い主さんが一緒に安心できる暮らしができるようにと願っています。
トレーラーハウスでの「わんにゃんデイケアハウス」の運営は10月末で終了を目処としていますが、今後も細かいニーズに添った支援を行う地元ボランティアさんのサポートをしていく必要があります。