本格的な冬の前にできるだけの支援を ~パキスタン地震1カ月 支援活動まとめ~
パキスタン地震の発生から1カ月。すでに朝晩の冷え込みが厳しくなっている被災地には、12月には本格的な冬がやってきます。その前に、被災者たちが冬を越すための準備を整えられるようピースウィンズ・ジャパン(PWJ)はバラコット周辺で、テント配布をはじめとする支援に全力を挙げています。
PWJは、地震発生翌日の10月9日、日本とアフガニスタンから国際スタッフ5人をパキスタン入りさせて支援活動を開始。すぐにテントやキッチンセットの調達・輸送にも着手しました。15日には、他団体も含め、バラコット地域内の被災者全体を対象とした初の大規模な支援物資の配布活動として、テントとキッチンセットの配布を始めました。
写真左:支援を待つ少女
写真右:動物を使った物資輸送
(C)Peace Winds Japan
パキスタン国内では、援助物資の不足が続き、援助物資の輸送も大きな課題が残ったままです。こうしたなか、PWJはこれまでの経験を生かし、パキスタン各地で物資を調達し、いくつもの輸送手段・ルートを組み合わせて、物資を被災地に運び入れています。
当初から配給を続けてきたバラコットに加え、道路の復旧とともに、バラコット北部の山岳地帯にある集落にも、小型トラック(ピックアップ)や動物を使って物資を輸送。それまで支援の届いていなかった被災者たちに、テントなどを配っています。
写真左:トラック間でのポリタンクの積み替え
写真右:物資配布の準備をするPWJスタッフ
(C)Peace Winds Japan
被災者の要望を受けて、がれきの撤去に使うツールキット(スコップ、つるはし、斧、ハンマー)の配布も一部で開始。また、ストーブやランタン、テントの屋根を覆うシートの調達・配布も検討しています。そのほか、テントの学校に通う子どもたちへの文房具提供、イード(ラマダン=断食=明けを祝う祭日)に合わせた子どもたちへのお菓子のプレゼントも実施しました。
PWJでは、今回の地震救援活動のため、緊急募金を受け付けています。みなさまのご理解、ご協力をお願いいたします。
がれき除去のためのツールキット
(C)Peace Winds Japan
【地震発生から1カ月の支援活動概要】
◇主な活動地域(物資配給場所)
バラコット
バラコット以北の山岳部
コリアン(Kholian)
サンガル(Sangarh)
ガノウル(Ganoul)
◇配布した支援物資と配布世帯数
テント:1350世帯以上(11月4日現在)
(屋根を二重にし保温性を高めたダブルフライヤーを含む)
キッチンセット:約1000世帯(11月4日現在)
(調理・食器セット=皿・カップ・スプーン・フォークなど)
ポリタンク:約480世帯
(20リットルの容量のものを、1世帯に2個配布)
子どもたちへのイードのプレゼント(菓子)
◇その他、調達物資
ツールキット:約850世帯分
(スコップ、つるはし、斧、ハンマー、一輪車など)
ストーブ
ランタン
テント学校の子どもたちの文房具
◇国際スタッフの現地での活動
松田憲 (10月9日〜)
澄湖バラン(10月9日〜)
柳原秀年 (10月9日〜10月16日)
河村護 (10月9日〜10月27日)
平井礼子 (10月9日〜11月8日<予定>)
小川恵美子(10月21日〜)
国田博史 (10月29日〜)
山本理夏 (10月29日〜11月7日)
明城徹也 (11月3日〜)