PWJテント村に被災者が入居
被災地バム市郊外にピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が設営を進めているテント村で被災者の入居が始まりました。入居する被災者に対しては、PWJが購入した毛布やヒーター(調理・暖房兼用)、ミネラルウォーターの支給も行っています。
写真左:テント村に入居した被災者に緊急支援物資を渡す
写真右:テントが立ち並ぶバム市郊外サバ地区のPWJテント村
(C)Peace Winds Japan
テント村があるのは同市サパ地区。PWJはパキスタンでテント500張を調達して現地に運び込んだほか、イラン政府から100張のテントの提供を受けています。イラン政府の協議のもと、すでに約400張分の設置スペースを確保し、約200張のテントの設置を終えています。入居は1月5日から始まり、現地時間の6日までに64世帯(344人)が入居を登録。同日夜には、58世帯がテント村での生活を始めました。
被災地では、バム市中心部など限られた地域で一部の援助団体がテントの配布を行っていますが、被災者を対象とした大規模なテント村の設営を進めている機関・団体はほとんどありません。仮設住宅の建設もかなり先になりそうです。「約12万人の住民のうち約90%が家を失った」(PWJと面会したバム市幹部)といわれていますが、被災者の多くは氷点下にもなる冷え込みのなか、自宅前や車のなかで寝泊まりを続けています。また、トイレやシャワーなど衛生設備の不備も問題で、こうした環境の整ったテント村へ入居を望む被災者はかなり多いとみられています。
入居が決まった人たちは、親族を亡くしたり、家族が負傷したりした人が多いため、表情には明るさはみえませんが、現地入りしたスタッフは「子どもたちがテント村の中を元気に走り回っているのが印象的」と話しています。また、入居した被災者たちはスタッフと顔を合わせると必ず「ありがとうございます」と感謝の言葉をかけてくれるそうです。
テント村に入居したある男性は、「地震が発生したとき、私は寝室でお祈りをしていて、とっさに身をかわした。同じ部屋で寝ていた妻と娘2人は崩落した壁に直撃され、妻と大学2年生の長女は亡くなった。高校2年生の次女は重傷を負い、現在テヘランの病院で治療を受けている」と話し、亡くなった長女の写真を見せながら体を震わせ号泣していました。