【ウクライナ】ダム決壊を受けて避難している人々への支援を開始しました
ウクライナ南東部ヘルソン州のカホウカ水力発電所のダムが6月6日に破壊されて大規模な洪水が発生し、何万もの人々が避難を余儀なくされている緊急事態に対処するため、ピースウィンズは6月26日、提携団体Right to Protection (R2P)と共に、ウクライナ南部の都市ムコライウで支援活動を開始しました。
現地に派遣されたR2Pのチームは4名。ソーシャルワーカー2名、モニタリングオフィサー1名に加えてドライバー1名です。女性の生理用品など人としての尊厳を保つために不可欠な衛生用品17品目を1,000人に配付します。現地入りしたチームは避難所を訪問し、調査を行なって最も支援を必要とする人々を選び出し、必要な物資を調達して手渡していきます。必要に応じて、心のケアの専門家が現地入りし、避難所などでカウンセリングを行ないます。第一弾として、これから3週間、活動する予定です。
現地の様子(動画)
現地での活動開始に先立って、チームは先週、首都キーウでHEAT (Hostile Environment Awareness Training)と呼ばれるトレーニングを受けました。危険地域で活動する際に必要とされる危機の予防や回避の仕方、緊急時における対応のノウハウを学ぶトレーニングです。ウクライナ東部と南部にはロシアによる実効支配が続く地域があり、ウクライナによる奪還作戦が続いているため、こうしたトレーニングを受けました。
ダムが破壊されたことによる影響は、洪水の発生で被災者が発生したことにとどまりません。OCHA(国連人道問題調整事務所)によると、ダム破壊による原子力発電所への供給冷却水の減少がもたらす事故発生の懸念があります。また、南部ヘルソン州とクリミア半島の人々にとって重要な農業用水が枯渇すると、長期にわたって食糧生産に悪影響がもたらされることなどが予想されています。
引き続き、みなさまのご支援をよろしくお願いします。
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