【トルコ】地震の被害を受けた子どもたちの心のケアとして乗馬体験を行いました
一年前の2023年2月6日、トルコで国内最大規模の地震が発生しました。瓦礫の撤去作業と町の復興が続けられる一方で、被災者への心理的支援も必要とされています。ピースウィンズは、現地の提携団体であるSRP (Solidarity Respect & Protect)とともに、震災被災者に心理社会的サポートを提供する事業をおこなっています。そのひとつとして、避難民キャンプで暮らす子どもたちが安心して遊んだり、勉強したりできるチャイルド・フレンドリー・スペースを運営しています。ここでは、心理社会的サポートのためのアクティビティも行われます。
この活動の一環として、子どもたちの乗馬体験会を実施しました。外出する機会が少なく、生活が単調になりがちなキャンプでの生活から離れて、普段とはちがう場所で異なる体験を子どもたちにしてもらうことが目的です。動物には人の心を癒す力があります。特に馬と人間の間には歴史的に長いつながりがあり、乗馬体験などを通じた触れ合いは心理ケアに効果があることが知られています。この活動を続けることで楽しく、リラックスできる環境を提供し、ストレスの緩和とレクリエーションによるPTSD(心的外傷後ストレス障害)を防ぎたいと考えています。
参加した子どもたちの多くにとって、生まれて初めての乗馬体験となりました。絵本でしか見たことのない馬を実際に目にし、触れ、名前を呼び、餌を与える。初めての体験に、子どもたちの目は輝きました。最初は心配そうだった子どもたちも乗馬後は勇気を得たようで、笑い声には自信にあふれていました。自分の後に乗馬する不安そうな友達を気遣う姿も見られました。
「私、挑戦してみて、うまく乗れたよ!」
「馬の背はとても高くて、乗るのはとても面白かった」
「馬は毛を触られるのが好き」
「怖かったけど、あなたも挑戦した方がいい」
「馬はあたたかい」
こんな風に語り合う子どもたちの様子を見ていると、厳しい状況の中で希望が見出しにくくても、こうした体験が子どもたちに与えるインパクトは大きいことを改めて学びました。生き生きした子どもたちの姿を見て保護者たちもとても喜んでくれました。
このプロジェクトは、みなさまからのご寄付とジャパンプラットフォームからの助成金を受けて実施しています。トルコ大地震からの復興にはまだまだ支えが必要です。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。