【ウクライナ】戦争で苦しむ女性たちの健康を守る巡回診療を行っています
ウクライナ北部のチェルニヒウ州には、2022年2月のロシアによる侵攻の際、一時的にロシア軍に占領された地域があり、少なからぬ女性がジェンダーに基づく暴力にさらされて心や体に傷を負いました。こうした人々を支えるために、ピースウィンズはニジィン産婦人科病院、および地元NGOであるアンドリーウ・ファミリー基金(AFF)と協力して、産婦人科医、看護師、検査技師、臨床心理士、ソーシャルワーカーなどから成るモバイル・クリニックを構成。村々を巡回して健康診断を行っています。ニジィン産婦人科病院は妊婦検診から出産、婦人科の診療まであらゆるニーズに応える地域の基幹病院です。
この事業のために超音波検査機などの医療機器を購入。これらを搭載した専用車両を整備して、プロジェクトは2月に本格的に始動しました。
モバイル・クリニックでは婦人科検診、子宮頸がん検診、妊婦相談、様々な健康相談などを受け付けています。これまでの受診者は合計892人で、そのうち78人に何らかの問題が見つかって病院で詳しい検査を受け、70名が手術を受けることになりました。非常事態下で暮らすなか、家族の面倒を見なければならない女性たちは自分のことを後回しにしがちです。受診した人の半数以上が1年以上婦人科病院にかかっていなかったことがアンケート調査でわかりました。
このプロジェクトはみなさまからのご支援とジャパンプラットフォームの助成を受けて実施しています。戦争の長期化によって、心と体に負担を覚える女性は増えています。私たちはこれからも彼女たちの苦しみが少しでも軽減するよう、できるだけの支援を行っていきます。引き続き、みなさまからのご支援をよろしくお願いします。