【バングラデシュ 東部水害支援】物資配付を支えてくれる地域ボランティアの方々
10月初頭からバングラデシュ東部の洪水被災地域に入っているピースウインズと現地提携団体であるDCHT(Dhaka Community Hospital Trust)は、クミッラ県(Cumilla)とノアカリ県(Noakhali)、ラクシュミプール(Lakshmipur)県の3県での支援物資配付第1弾を終えました。
支援物資の配付対象世帯は事前の情報収集をもって選定されており、物資を受け渡しする際には本人確認が行われます。1日に500世帯を対象に物資の配付を行うこともあり、いつもスムーズに本人確認が行われるとは限りません。
そんな時にとても頼りになるのが各地域でボランティアとして参加をしてくださっている方々です。彼らは郡の行政官などから推薦された人々で、バングラデシュの休日であっても配付会場で物資の運搬、受け渡しなどに協力してくれました。
被災者に配付した物資はお米が1袋25kg、野菜や衛生用品などが入った袋が15kgと合計40kgの重さでした。ただ、配付対象としている家庭には障害のある人や妊婦、高齢者を有する家庭が多く、健康で力のある人が物資を受け取りに来れるとは限りません。ほとんどの人が安価な自動三輪バイクのタクシーを呼んで物資を家まで持って帰りますが、タクシーに物資を運びこめない人もいます。そのような場面でもそっと手を差し伸べてくれるように助けてくれたのもボランティアの方々です。赤ちゃんを抱いて配付会場を訪れた妊娠中の女性や、目の見えない杖をついた男性など助けを必要とする人を見つけると率先して手を貸し、スムーズな配付の進行だけでなく会場の温かな雰囲気作りにも貢献してくれました。
自分で物資を運んで持ち帰る人の中には米袋を頭に乗せて歩いていく人もいて、ピースウインズのスタッフも米袋を持ってみましたが、あまりにも重いのですぐに袋を降ろしてしまいました。軽々と物資を運ぶボタンティアの中には、ピースウインズやDCHTの物資配付には初めて参加したが、別の団体の配付には参加したことがあり、重い荷物を運ぶのには慣れていると話す人もいました。彼らにどうしてボランティアに参加してくれたのかと聞くと、困っている人を助ける活動に意義を感じているからと話してくれました。
被災して困っている人々を助けたいという思いを持った地域のボランティアの方々の協力のもと、目標であった約3,000世帯への配付を2週間ほどで終えることができました。彼らの協力無くしては短期間での完了できませんでした。ボランティアの方々にはピースウインズのスタッフから精一杯の感謝を伝えさせていただきました。
被災地域では、家屋の損壊だけでなく農業用地も多大なダメージを受けており、これまでのように仕事を継続できなくなってしまった農家の方のお話も聞きました。今後は、中・長期的な支援を見据えた生計支援活動が必要です。引き続き、あたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成にて、現地提携団体DCHT(Dhaka Community Hospital Trust)およびANANDOと協働で実施しています。