【ブルキナファソ】肝炎が蔓延する国で行う啓発活動。日本の先進的な取り組みで支援する新たな挑戦とは?
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ピースウィンズ・ジャパンでは、B型肝炎の被害が大きいブルキナファソにおいて、検査体制の整備を支援してきました。現在は、それに加えて啓発活動への支援を開始しています。すでに、2024年秋から毎月、現地ブルキナファソとオンラインでつなぎ、2つの現地提携団体(NGO、患者団体)と定期的に会議を実施。空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”の医療スタッフも参加して、どうやって啓発活動を進めるか、議論と準備を行なっています。
現地のHIV対策の教訓に学ぶ
B型肝炎は、ブルキナファソでは有病率が9.1%(同国「肝炎戦略」2017年)と非常に高く、深刻な問題です。しかし、検査・予防・治療などの対策は、ようやく始まったばかりです。一方で、HIV(エイズ)の対策は大きな成功を収め、すでに有病率は1%以下。地域や患者団体を巻き込んだ取り組みが機能しています。その成功モデルをB型肝炎にも応用し、より多くの命を守ろう、というのが、私たちの新しい挑戦です。
日本の先進的な取り組みをいかして貢献
ピースウィンズが考えたのは、日本で、厚生労働省が「肝炎基本指針」にそって全国で育成している「肝炎治療コーディネーター(肝炎コーディネーター)」を、ブルキナファソでも養成することです。
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日本における肝炎コーディネーターは、これまでに医療従事者や患者当事者など、約3万人が養成されています。全国各地で、それぞれの「強み」を活かして、肝炎検査を受けること、すでに陽性とわかっている人は治療を受けることなどを、周りに働きかけ、行動変容を促しています。早期発見・早期治療によって、肝がんなどへの重症化を防ぎ、肝炎で命を落とす人を減らすことができます。
肝炎コーディネーターを育成・活用して、肝がん粗死亡率全国ワースト1位を返上した佐賀県の調査によると、市民が肝炎ウイルス検査を受けた直接のきっかけは、保健師、看護師、職場、家族・友人などから検査を勧められたことでした。ブルキナファソでも、熱心に治療を受けている方に、家族を肝炎で亡くした方など、肝炎の恐ろしさを知っている方がいる、と現地の提携団体は言います。
ピースウィンズと現地の提携団体は、次のようなことを考えています。
患者団体・コミュニティを巻き込んで人材を育成
ブルキナファソは医療資源がとても少ないので、医療従事者だけでなく、患者・当事者やコミュニティのリーダーなどにも多く肝炎コーディネーターを養成し、正しい知識を持ち、周囲に広げる役割を担ってもらいます。
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誰にでもわかりやすいかたちで情報を届ける
また、言語が多数あり、文字ベースの情報があまり効果的ではないブルキナファソにおいて、ビジュアルを多用し、誰にでもわかりやすい形で情報を届ける、啓発素材も開発しようとしています。
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既存の対策、国際的な支援と組み合わせて大きな効果を生み出す
もちろん、啓発活動だけでB型肝炎を克服することはできませんが、妊婦健診や新生児へのワクチン接種、安価な治療薬の提供など、すでにある肝炎対策と組み合わせて、より大きな成果を生み出すことを目指します。
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引き続き、ご関心、ご支援をいただければ幸いです
私たちは、地域全体で病気を理解し、予防や早期治療が進むように、また、肝炎コーディネーターと患者団体を軸にした、持続可能な支援体制がブルキナファソに生まれるように、人材育成、啓発マテリアルの開発に取り組みます。
ブルキナファソにおいても、日本においても、効果を発揮してきたアプローチが、ブルキナファソの未来を変える力になります。引き続き、関心をお寄せくださり、ご支援をいただければ幸いです。