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私たちの活動

【パラオ】南西諸島へ物資・資材をお届けしました!

国家予算を活用した初めての挑戦

今年6月、船舶「KENSING II号」使って、パラオの中心部コロールから船で約600km、最長38時間以上かかる南西諸島へ、建物資材や生活必需品を運びました。これまで、検診などで同地を何度も訪れてきましたが(参照:【パラオ】2年ぶりに南西諸島での検診を実施しました!)、今回は総重量10トン超の物資を運搬し、しかも「パラオ政府の国家予算による初の航海」という大きな一歩を踏み出しました。

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南西諸島航海を終えた「KENSING II号」
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今回物資・資材を運んだ島、ハトホベイ州ヘレン環礁

なぜ今回の航海が画期的な一歩となったのか

これまで、私たちは日本外務省の助成金を受け、船舶を使った検診などの事業を南西諸島で実施してきました。事業はパラオ政府と共同で行い、人員・物資面での協力は得ていましたが、金銭的な負担は限定的でした。しかしこのままでは、ピースウィンズが撤退した後、資金が確保できず、パラオ政府による船の運航が継続できません。そこで私たちが目指していることは、持続可能な仕組みを整えることです。その一つが「パラオ政府が船舶の運航に予算をつける」ことでした。現地政府がNGOの活動に国家予算をつけるということは非常にまれなため、今回、政府予算から船舶「KENSING II号」の運航費が捻出されたことは非常に大きく且つ画期的な一歩となりました。

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大統領や国務省大臣との協議

多目的に使える船「KENSING II号」に!

KENSING II号はもともと愛媛県の弓削商船で活躍していた船舶であり、全長は約40mという、パラオではあまり見られないサイズの船舶です。パラオには同等サイズの船は巡視船やダイビング船しかなく、物資輸送など多目的に使える船がありませんでした。さらに、KENSING II号にはパラオの他の船舶にはあまり搭載されていない大型建材や備品を扱えるクレーンが備え付けられています。

今回のハトホベイ州・ヘレン環礁への建設資材輸送の要望は約2年前から出ていましたが、これまで建設資機材を運べる船がありませんでした。そのためKENSING II号を様々なニーズに活用できるようにハトホベイ州政府と協議を重ねてきました。私たちにはこれまで検診事業を通して得た州政府からの信頼と実績があったため、協議は順調に進みました。

人口18,000人のパラオにおいて、最も小さい州であるハトホベイ州の人口は約50人にすぎません。こういった小さい社会にこそ関心を寄せ、信頼を積み上げていくことが、より重要になります。

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ハトホベイ州から持ち帰ったリサイクル資材
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「KENSING II号」搭載のクレーンと建設資材
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ハトホベイ州の住民たち

■ 今後の運航計画
今回の航海を皮切りに、現在は、パラオ政府・議会と協議を進め、KENSING II号を用いた南西諸島2州(ハトホベイ州・ソンソロール州)へのパラオ政府予算を使っての定期便運航の実施を目指しています。また、政府が使わない期間は第三者利用を受け付けており、国内外の環境調査団体やNPOから、すでに多くの問い合わせをいただいています。さらに、緊急災害発生時には、KENSING II号を活用した迅速な支援活動も想定しています。

リソースが限られるパラオにおける人材・物資不足を乗り越え、これからもKENSING II号の管理・運航を通じて、人々の力になれるよう全力を尽くします。しかし、資金面・運営管理面には依然として多くの課題があり、私たちだけでは運営を継続するのが厳しいのが現実です。

この活動を継続し、より多くの方々に支援を届けるために、皆さまのご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

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