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【パレスチナ】空爆から半年、PWJの緊急支援を受け取った方の声

パレスチナのガザ地区に暮らすニダ・アルザイームさん(35歳)は、4人の子どもを育てながら2014年に技術経営の学士号を取得しました。2008年、2014年、2019年、2021年と数多くのイスラエルとの戦争を生き抜き、これまで大きな困難に何度も果敢に立ち向かってきた彼女には揺るぎない強さがあり、若々しく見えながらも、発する言葉には年配者のような重みが感じられます。「ガザという地はまるで火山のようです。今後もさらなる戦争や残虐な争いが、女性や子ども、お年寄りにも容赦なく襲いかかり、すべてを破壊するでしょう。」
 


インタビューを受けるニダさん

 
ニダさんは家庭にこもるガザの典型的な母親ではありません。これまで多くの会社で、映像制作、コンテンツ制作、編集、通訳等の仕事をしてきました。働いて得た収入で家庭の必要を満たし、夫が小さな住居を構えるのを助け、子どもたちが健やかな生活を送れるようにいつも努力をしてきました。
「2007年に、ガザ市の中心にあるアルジャウハラ・タワーという高層マンションの一室を購入しました。それからは、家具を購入するため、そして喜びの溢れる家にするために仕事をしてきました。」
 
ニダさんは目に涙を浮かべながらかすれた声で続けます。「残念ながら、2021年5月12日夜8時半の悪夢のような出来事は想像していませんでした。その時、家の近所数か所から爆発音が聞こえてきました。その後、私が住んでいたマンションの中からも。当時マンションには64戸の住宅に加えて、クリニック、弁護士事務所や企業の事務所が入っていました。住民の退避を促す警告弾が発射された後、マンションは8発の爆撃を受けました。」その時、ニダさんは家族と共に近くの母親の家を訪ねていましたが、マンションからの爆破音を聞くや否や、家財道具や書類などを守るために夫と共に飛んで戻りました。しかし、マンション内に入るのは危険だと消防員に制止されました。その後もイスラエルの戦闘機は6時間にわたって、あらゆる角度からマンションに爆撃を続けました。
 


攻撃を受けた直後の建物

 
「当時同じタワー内に写真スタジオをオープンするところだったのです。砲撃で破壊された時には、目の前で私の夢が崩れていくようでした。私はこの店に3つのノートパソコンと4つのカメラを備え、家具と内装を施して洒落た写真スタジオに仕上げていました。午前2時半の砲撃で、私の店の入ったタワーは崩壊しました。私の生活の糧と社会生活を破壊され、タワーに10年以上住んでいた何十もの家族も別の場所に移っていきました。それでも、私の心と存在そのものに根付いている私の夢は壊されていません。人生で大きな成功を収めるために、私は夢の実現への歩みをまた続けます。」
 
しかし、ニダさんは自分の子どもたちについて深く悲しんでいます。「激しい爆撃で、17歳の長女は極めて強いショックや恐怖、不安や緊張を感じ、今でも夜は悪夢に襲われてひどく泣いています。8歳の息子も、何日も続いた爆撃による極度の恐怖のため、発熱、嘔吐、発話障害に苦しんでいます。」
 
「子どもたちを守り、十分に支えることがとても難しかった。私自身をコントロールすることもできなかったからです。精神的に疲弊した私は、極度の精神的なプレッシャーに苦しみました。私と子どもたちにはトラウマを緩和するために心理社会的な支援が必要です。」
 
そして「私にはまだ金銭や物資が必要です。これまでも子どもの寝具や数ヶ月の家賃補助を受けましたが、私の事業を立て直すことができる支援が必要です。仕事ができれば、家の再建に十分な収入を得られますから。毎日のように多くの国際機関からガザ地区復興支援の約束がなされていますが、実際にはまだ何も始まっていません。」と続けました。
 


無残に破壊された写真スタジオの跡

 
ニダさんの声からは彼女の痛みが感じられます。「賃貸住宅に移り住み、学用品、服、家具などの生活必需品が得られない中で、子どもたちは不安で落ち着かない日々を過ごしています。」イスラエルによる5月の攻撃による損害は極めて大きく、緊急に支援を必要とする人々の数が膨大なため、ガザ地区で供与される人道支援はまだまだ不足しているとニダさんは話します。彼女は多くの機関に物資支援を求めましたが、なしのつぶてでした。そんな中、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)の支援で、生活必需品を受け取ったニダさんは、次のように話してくれました。「PWJからの支援は家族の金銭的負担を軽減してくれました。特に台所用品はありがたかったです。私が初めて国際的な団体から受けた人道支援でした。」彼女は加えます。「PWJの支援物資が配布される時、スタッフの方々の対応はとても親切で丁寧でした。また、その配布物資の中身を決める際には、家庭で必要な物資について話し合う会合が開かれ、私もそこに参加させてもらえました。」
 
「私たち一家にのしかかる負担を軽減し、家族全員に大切な食料と衛生用品を提供してくれた日本の方々からの惜しみない支援に感謝します。」
 
5月の紛争で被害を受け貧しい他の人々にも支援が届くように、ニダさんはJPFとPWJがこの支援を今後も実施することを願っています。PWJは今回、ニダさん一家を含めて2021年5月の紛争で被害を受けた930世帯に、食料、衛生用品、台所用品などの生活必需品を配布しました。 
 
ガザ地区は15年間にわたって封鎖下にあり、緊急人道支援と開発支援だけでなく、封鎖を解除することも根本的な必要としています。
 
PWJは、皆様からのご寄付とJPFの資金によって、15年間にわたって封鎖下にあるガザ地区で、人々の命や安全を守り、人々が自立していくための支援を行なっています。
 
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