【パレスチナ】ガザ停戦から4ヵ月。続く食糧危機と小さな希望となる「学校教育の再開」
昨年10月10日にイスラエルとガザを実効支配するハマスの間で「停戦」に合意されてから、4か月になります。私たちNGOは、2023年10月7日以降、「停戦」を呼びかけ続けてきました。市民が武力の犠牲にならないこと、彼らの日常に必要な食料品や生活物資がガザに安全に届けられること、そのために武力行使ではなく対話(外交)による問題解決が図られること、国際社会がそれをサポートすることを求めてきました。
「停戦」が実現すれば一切の武力行使が止まり、ガザの市民の命が危険にさらされることがなくなると考えていました。もし停戦期間中に武力が使用されたなら(そういうことはこれまでにも何度もありました)、それは「停戦合意の破棄」、つまり「戦闘の再開」を意味します。そのため、とにかく「停戦」を維持させなければならないと思っていました。しかし、今のガザは、「武力行使を伴う停戦」状態にあります。ガザ保健当局によると、昨年10月の停戦合意以降、イスラエルの攻撃ですでに500人以上が死亡しています。

物資の搬入も依然として厳しく制限されています。報道の通り、1月26日には、ガザで拘束されていたイスラエル人の人質の最後の遺体がイスラエルに戻り、2024年5月以降閉じていたエジプトとの国境にあるラファ検問所が再開されました。物資の大規模な搬入が期待されましたが、イスラエル当局は、1日あたり傷病者50人のみが2月2日以降にラファ検問所から移動できると発表しました。国連によると、開通から4日間でガザからエジプトへ移動できたのは、医療を必要とする36人と62人の同伴者にとどまっています。またその際、物資の搬入に関する言及はありませんでした。
停戦になっても物資の搬入制限は解除されず、ガザでは全体の8割以上が破壊された農地の復興も進んでいないため、食糧不足の深刻な状況が続いています。2月4日の国連発表によると、ガザの北部と中部の206万人のうち160万人(77%)が危機的な状況にあります。
これまでのピースウィンズの食料支援についてはこちらの記事もご覧ください。
▶【パレスチナ】食料不足に苦しむガザ地区で食料を配付しました
このように「停戦」を手放しで喜べない中、わずかな明るいニュースのひとつが学校での対面授業の再開です。2023年10月7日以降はガザの全大学が攻撃を受けて破壊され、小中学校は避難所として使用されてきたため、公式な学校教育は、ほぼ停止状態にありました。そのような中でも、オンライン授業や残っている建物でインフォーマルな授業を続けてきた学校もありました。私たちがコロナ禍で経験したように、オンライン授業だけで対面授業と同等の効果をあげるのことは容易ではありません。ガザの場合、先生たちも避難していて、校舎は破壊され、電気も機材も不足し、さらに空爆の危険にさらされる中で授業を行う必要がありました。
ある私立学校では、2024年8月~2025年1月20日はオンライン授業を無料で希望者に提供していて約500人の在校生に加えて、新たに700名が履修していたそうです。2025年2月からはオンラインと対面授業を並行して実施し、攻撃が激しくなった2025年9月15日から10月17日は一時的に閉鎖を余儀なくされましたが、10月18には授業を再開、11月からは完全に対面授業に移行したとのことです。また、一部の大学でも11月末から対面授業を再開しているとの報告も受けました。この2年の勉強の遅れをとりもどすだけではなく、何より同じ年代の子どもたちが集える場所ができることは、すでに多くを奪われてしまった子どもたちが希望を取り戻すきっかけとなるでしょう。



ピースウィンズも2023年10月7日以降、活動を止めている教育活動が再開できるときを見極めています。


子どもたちを学校に通わせるには、大人たちの生活が守られていなければなりません。何よりもまず命を守ることが第一です。ガザで本当の意味での「停戦」が続き、必要な支援が行き届く道筋が見えるまで、ピースウィンズはパレスチナの人びとの声に耳を傾けながら活動してまいります。

