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【ウガンダ】Home away from home ~内戦の南スーダンから緑のウガンダへ

「ほらね、僕たちの国はどこまで行っても緑がいっぱいでしょう」
ウガンダ北部、南スーダンとの国境近く近くにある難民キャンプを目指して車で走りながら、ウガンダ人のドライバーが誇らしげに言いました。その言葉を聞いて、1月に訪問した隣国ケニアにあるカクマ難民キャンプを思い浮かべました。そこは砂漠とまではいきませんが、特に乾季は一面砂色で緑はほとんどありませんでした。それに比べれば、確かにここウガンダでは、どこのキャンプも緑に囲まれていました。
2016年7月7日、独立記念日を2日後に控えた南スーダンの首都ジュバで、大規模な戦闘が発生しました。約1年前の現地活動ルポでお伝えした「8回目の停戦合意」はついに破られてしまったのです。その後、8月末までの約2か月間で南スーダンからウガンダへ逃げてきた難民の数はおよそ10万人近くにものぼり、実にその9割近くを女性と子どもが占めています。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、ウガンダにたどり着いた南スーダン難民への支援を開始するため、8月に調査に行いました。

ウガンダ
一時滞在施設で登録を待つ新規到着者たちの長い列

ウガンダ北部は、北を南スーダン、西をコンゴ民主共和国と接しており、以前から難民が多くたどり着いて生活を営んでいる地域です。「難民キャンプ」と書きましたが、正確にはウガンダに難民キャンプは存在しません。国の方針で、難民が一時的に滞在する「難民キャンプ」ではなく、全てが「居住地区」と呼ばれる定住型エリアとなっています。
たどり着いた難民は、難民登録後に居住地区内に家と畑をつくるための土地が提供されます。屋根や柱など最低限の資材を受け取ったあとは、自分たちで家を建て、畑を耕して生活を営むことができます。他国の難民キャンプにあるような就労や移動の制限もなく、自分の力でウガンダでの人生を切り開いていく自由と厳しさが与えられるのです。
8月の調査で訪問した5つの居住地区の一つ、アルア郡にあるライノ居住地区では、7月以降、難民受け入れ数が急増しました。毎日300人のペースで難民が到着しています。到着直後の一時滞在施設は200人の定員に対して約2,500人が滞在しており、一周45kmと広大な居住地区では、水やトイレ、道路等のインフラ整備が、急激な人口の増加に追い付いていない様子が見て取れました。

ウガンダ
ライノ居住地区で定住している人たちの家

居住地区内を案内してくれた難民リーダーのジェミスラムさんは、「ライノ一帯はほかの地域と比べて雨が少なく、また土壌も砂っぽくて、植えた作物が枯れてしまうことが多い。井戸も全然足りなくて、今はトラックで水を毎日運んできてくれているけど、道が整備されていないから雨が降って地面がドロドロになると、水が届かないこともあってみんな困っている。井戸を掘るにしても、地下水の層は深いところにあるから、手押しポンプでくみ上げるのはかなり力がいる。女性や子どもには無理じゃないかな」と話します。

ウガンダ
案内してくれた難民リーダーのジェミスラムさん

ウガンダウガンダ
写真左:給水トラックが運んできた水をタンクに補充する様子、同右:給水所や井戸から水を運んでいるのは子どもが多い
ある日突然、住み慣れた国を追われ、「難民」と呼ばれるようになってしまった人たち。新天地のウガンダに定住し生活の基盤を築いていくことで、「難民」ではなくなることも選択肢の一つです。PWJは、ウガンダに逃れてきた南スーダンの人たちが自立した生活ができるようにサポートする事業を計画しています。
報告:竹中奈津子(南スーダン事業調整員)

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