SHARE
facebook X LINE
私たちの活動

【ハワイ・マウイ島】~大規模火災被災者の心に寄り添った支援を~

ハワイ州マウイ島西部にあり、19世紀初頭にはハワイ王国の首都として栄えた古都ラハイナは、2023年8月8日未明に発生した大規模火災によって甚大な被害を受けました。ピースウィンズは発災直後から被災地で動物支援団体への物資提供や、現地提携団体と協同した被災コミュニティに向けた心理社会的支援活動を実施しました。ご支援いただいた皆様に心より感謝申し上げます。発災から1年以上が経ち被災地への関心が薄れてしまった今も、被災した人々は火災が起こる前の生活に戻れてはいません。被災者が1日でも早く火災による喪失感や悲しみを乗り越えられるように、ピースウィンズは被災者への支援を続けています
 

火災から約1週間後のラハイナの様子。焼失した家屋の白い壁だけが残っているのが分かります。

発災直後のスタッフ派遣では、活動の一環として動物支援団体に動物用の衛生用品やペットフードを提供しました。

 
火災の被害により、ラハイナでは約1万2,000人が避難を余儀なくされました。被災者のうち1,200世帯以上は、政府の支援によりラハイナから約42㎞離れたキヘイという町に住居を借りて暮らしていますが、親戚の家に間借りをしたり、ホテルなどの部屋を借りたり、短期的にのみ借りられる住居を転々としている家族も多く、被災者の心理的ストレスの原因となっています。政府機関は被災者に貸与している仮設住宅の立ち退き期限を当初の予定であった2025年2月から2026年2月まで延長することを決定するなど、被災者への支援を行っていますが、被災者のニーズに対応できているとは言い難いのが現状です。ラハイナという故郷が失われてしまった喪失感や、大切な家族や友人と離れ離れになって暮らさなければならない不安感の中で生活を再建しなければならないことは、大人だけでなく子どもにとっても心理的なストレスであることは容易に想像できます。
 
このような状況に置かれている被災者を支援するために、2024年9月からピースウィンズは早期から中長期的な住居を提供していた現地の非営利団体Family Life Center(FLC)と協同し、彼らが運営する仮設住宅地Ohana Hope Villageにコミュニティスペースを建設するプロジェクトを開始しました。このプロジェクトの目的は、被災した子どもや保護者、住民がコミュニティスペースでの新しい出会いを通じて交流し、地域社会とのつながりを深めることで、生活環境や心理的ストレスを改善することにあります。
 

コミュニティスペースの完成予定図。子どもたちが安心して遊び、保護者や住民が集い、交流を深めて人々がつながる場として期待されています。

 
コミュニティスペースの設置に加え、火災のトラウマを抱える住民を長期的に支援するための体制づくりにも取り組んでいます。外部講師の協力を得て、FLCスタッフがトラウマインフォームドケア(※)の観点から被災者への支援を提供する能力を強化することで、本プロジェクト終了後も、地域住民主体での持続的な支援が続けられるようになることが目的です。
(※)心的外傷(トラウマ)の理解と生活環境に及ぼす影響についての一般的な知識を持った関わり・支援。
 

前期事業での外部講師による提携団体スタッフ・ボランティア向けのグリーフサポート研修の様子

研修で使用したぬいぐるみ。誰にでも親しみやすい造形になっています。

 
被災者は、大切な家族や友人、故郷を失った悲しみからの回復だけでなく、生活再建にもさらなる時間が必要です。また、高騰する家賃や失業などの新たな課題にも直面しています。被災者の中・長期的なニーズに対応するためには皆さまからの継続的なご支援が必要不可欠です。ピースウィンズがこれからもマウイ島の被災者に支援を届けられるよう、引き続きご支援をお願い申し上げます。
 
この活動は、ジャパン・プラットフォームからの助成金や皆さまからのご寄付により実施しています。

\平和をつくるために、2分でできること/
ピースサポーター申込フォームへのボタン画像です


アメリカでの活動をもっと知る

SHARE

SUPPORTご支援のお願い

支援が必要な人々のために
できること

ピースウィンズは世界各地で起こる紛争や災害などの危機に
いち早く駆けつけ、危機にある命を支援します。
また、傷ついた命が自分たちの力で歩んでいけるよう、
復旧・復興・開発に寄り添います。

  • HOME
  • 私たちの活動
  • 【ハワイ・マウイ島】~大規模火災被災者の心に寄り添った支援を~