【スリランカ】スリランカ事業チーム、日本の農家を視察
こんにちは、スリランカ事業担当の河合です。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)はスリランカの東海岸に位置するトリンコマレ県にて、協同組合を通じた農家・酪農家への支援を2011年より継続しています。今回、事業地から女性プログラムマネジャーのギータンジャリ(以下ギータ)が現地代表の石田とともに1週間来日し、広島県と島根県にある有機農家や乳業製品会社、保育園などを視察しました。
ギータたちがPWJ本部のある広島県神石高原町に到着したのは3月中旬。日中30度を超えるスリランカとはうって変わって、時折氷点下にもなる時期です。初日はさっそく同町で有機農法を実践している田辺ファームを訪問。化学肥料を使用せず、日本の厳しい冬で複数の野菜を育てる田邊真三さんの農法や設備を学びました。視察中、ビニールハウスの横に残雪が。雪の降らないスリランカに住むギータにとっては初めての経験だったようで、物珍しそうに雪を手に取り、「写真を家族に送るわ」と感激していました。
翌日は日本の子どもの発育や栄養教育について学ぶため、広島県東城市にある保育所を訪問しました。園長先生から園の概要を聞いた後、中央のホールへ。中に入ると、大勢の園児たちが一斉に「アユールボアーン!!」。スリランカの公用語の一つ、シンハラ語で「こんにちは」という意味です。園児たちからのサプライズに、PWJ一行はビックリ!さらに踊りやあや取りまで披露してもらい、寒い中でも心温まる一日になりました。また、この日は地域の高齢者の方々も園を訪れ、子どもたちやPWJ一行と談笑するひと時を楽しんでいました。ギータは、戦後の日本が農村社会において、感染症対策をはじめ栄養改善を図ってきたという話に聞き入っていました。
最終日にかけては、島根県にある乳業企業や、同県邑南町の産直市場(道の駅)などを視察しました。訪れた企業や市場は発足から起業、そして軌道に乗るまで、自治体の財政支援を受けずに自力で成長してきた経験があります。地道な努力によって、いくつもの困難を乗り越えてきた話を聞くことができ、PWJ一同は辛抱強く付き合う姿勢や、長期的な視野が大切であると気づかされました。
今回の視察研修は、PWJスリランカ事業に活かせる日本の農家のノウハウを学ぶ良い機会となりました。中でも、小さな組合の事業が利益と地域社会への貢献を両立するにまで成長を遂げたビジネスモデルは、PWJスリランカ事業でも、協同組合のあり方や今後の方向性の参考となりました。今回の学びをスリランカの協同組合を通じた事業の拡大や新しく始める活動などに活かしていきたいと思います。
「わざわざスリランカからありがとう」「スリランカで頑張って」と快く受け入れてくれた訪問先の皆様の激励を原動力に、今後も活動に邁進していきたいと思います。