【ウガンダ】オールジャパンの活動で、難民支援を
みなさま、こんにちは。南スーダン難民を支援するウガンダ事業が始まって、12月で1年を迎えます。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が活動するウガンダ北部は、暑く長い乾季が終わり、5月頃から雨季に入りましたが、雨も9月は中休み。今回は、そんな時期の9月5日に現地で開かれたプレスツアーの模様をお届けします。
ツアーは在ウガンダ日本国大使館の企画。日本による支援活動(JICA、PWJ、AAR Japan)について、3泊4日で紹介する内容で、ウガンダの新聞・TV・ラジオなど計約10社が参加しました。多くのメディアの方に加えて、在ウガンダ亀田大使、在ジュネーブ志野大使、ウガンダ各地で活動中のJICAの皆さんも参加され、移動は車両約10台になるほどのにぎわいでした。
PWJは事業地のユンベ県ビディビディ難民居住地区で、プレスツアーにあわせて、2つの企画を実施しました。1つ目は、7月に完成したソーラーパネル井戸システムのお披露目会です。地下180mまで掘られた井戸から、ソーラーパネルの動力を利用して水を汲み上げ、敷設したパイプライン網を通じて難民居住地区内26か所の給水所(蛇口)に水を届けるシステムです。当日はこの井戸とソーラーパネル、管理棟がある通称「ポンプハウス」という施設で式典が開かれました。テープカット、設備の視察、汲み上げた水で乾杯、植樹、記者会見と見どころが盛りだくさんでした。記者の皆さんは、利用者の難民の方にも熱心にインタビューしていました。
【写真説明】ポンプハウス(左から、ソーラーパネル、トイレ、管理棟)/インタビューを受けるPWJスタッフ
2つ目は、難民居住地区内のヤンガニ小学校での衛生普及講習会です。PWJは、現地でハンドソープやアルコール消毒液などの衛生関連商品の生産・販売や衛生普及活動に取り組むサラヤ株式会社さんと、学校衛生普及事業を行っています。今回はその初回講習として、小学生たちが手洗いの重要性と正しい手洗い方法をサラヤのトレーナーさんから教わりました。中でも、「手洗いチェッカー」のデモンストレーションにはみんな興味津々。専用の液体を手に付けてブラックライトを当てると、洗い残しの部分が光って見えるというものです。正しい方法で洗えば光る部分がほとんどなくなることがよくわかりました。亀田大使も飛び入りで参加くださり、洗い残しのない様子を生徒たちに見せて、大きな拍手を浴びていました。
【写真説明】亀田大使も手洗い講習に参加/くみ上げた水で乾杯し、お味見
このヤンガニ小学校の生徒数は約4,000人にのぼり難民居住地区で最大規模です。難民と地域の子どもたちが一緒に学んでいるためです。仮設校舎の建設には、別の日本のNGO(AAR Japan)が貢献しました。今後は、同団体が常設の校舎への建て替えを、PWJが常設トイレへの建て替えや衛生普及活動を、それぞれ進めていきます。日本の2つのNGOと企業、3団体は引き続き連携し、小学校の生徒たちが学びやすい環境づくりを目指します。
ウガンダ駐在員 竹中奈津子