【動画】村人と力を合わせて農業用貯水池の修復をはじめました。
スリランカの北部と東部では、シンハラ人による統治への反発から、タミル人が独立を目指し、2009年まで30年近くにわたって武力闘争を続けてきました。戦場となった故郷から命からがら避難していた人びとの多くは戻ってきていますが、かつて豊かであった土地は長年の戦闘で荒廃しており、生活を再開する上で多くの困難に直面しています。
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、スリランカ東部トリンコマレ県に戻ったこうした人びとが農業を再開できるように、内戦中放置されていた農業用貯水池の修復を支援しています。
この地域では、紛争前、貯水池からの水を使って農耕生活を営んでいました。しかし、紛争のために30年間放置された貯水池の堤防は崩れ、水門も老朽化してさびつき、使用できない状態になっています。乾季にあたる今、貯水池の水は枯渇し、近隣の田畑も荒れ果てています。
(上)修復前のMayilumalaikulam貯水池、
(下)貯水池近隣の田畑
さびついた水門
PWJは2012年5月からこの貯水池の修復に取りかかりました。修復後も自分たちで維持・管理ができるように、業者ではなく村の人びとが工事を行います。2012年5月29日には、村の集会所において修復工事の内容などについて話し合いをもちました。「もっと水路を長くできないか?」など、よりよい貯水池にするための活発な議論が交わされました。
【動画】説明の様子
農業組合のSandramohaさんは「故郷に戻った後、農業を再開するために借りたお金を返しています。ここでは乾季には農業ができず、農業以外の仕事も見つからないため、生活はとても厳しいです。貯水池ができたら、1年を通じて農業ができるので生活が楽になると思います。」と笑顔で話していました。
農業組合のSandramohaさん
緑豊かな故郷の土地で農作物が安定して収穫できることで、ようやく安心して暮らせるようになり、平和の訪れを心から実感できるはずです。その日を目指し、PWJスタッフは村の人びとと力を合わせて、今日も修復工事を進めています。