【シリア難民支援】厳しい冬を越えるために
紛争が続くシリア。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は2012年11月から、イラク国内のシリア難民キャンプで物資支援をしています。
シリアとの国境にあるドホーク県ドホーク市から車で15分ほどのところに、ドミズ難民キャンプがあります。およそ3500世帯が生活していますが、今年の後半からシリアから紛争を逃れてくる難民が急増し、いまは1日に約500人が新規に難民登録をしています。このキャンプにいるシリア難民のほとんどはシリア東部からで、戦闘を避けたり、戦闘の影響で生活ができなくなったりして逃れてきた人たちです。
灯油の配給を受ける難民女性
ドミズ難民キャンプを訪問した日は、ちょうど灯油の配給が実施されていました。灯油は1家族あたり100リットル。料理用と暖房用を兼ねていますが、プロパンガスで調理するのが主流なので、主に暖房用です。テントを1つ1つ回って、各テントに1つ配給されている大きなドラム缶に100リットルずつ量って入れます。配給後は、受け取り証にサインをしてもらって、終了です。
灯油の配給を行っていると、たくさんの子どもたちが集まってきます。子どもたちに案内されてテントを訪問し、ファティマさん(仮名)に話を聞きました。
ファティマさんは、子ども3人(双子の女の子と小さい男の子)と夫の5人でこのテントで生活しています。
ドミズ難民キャンプに来たのは2ヶ月前。以前はシリアの首都ダマスカスに家族で住んでいましたが、戦闘がひどくなり故郷に戻り、さらにそこでも戦闘が行われる様子となってきたため、国境を越えてここまで逃げてきたそうです。
「村から国境まではバスで、国境を越えてからキャンプまでは歩いてきたの」と教えてくれました。
キャンプ内の別の区画に、ファティマさんのお母さんとお姉さんもいるそうです。キャンプでの生活は厳しく、外は寒いこともあり、小さい子どもたちは1日のほとんどをテントの中で暮らしているそうです。
テントの中に入れてもらいましたが、入り口にはおおきなたらいの中に食器がつかっていて、その横にポリタンクに入った水とドラム缶に入った灯油が並んでいます。
テントの中はストーブが焚かれて暖かくなっており、さほど広くないテントの中は、布団や着替えがきちんと隅に畳まれていました。
テントの入口に置かれていた食器や灯油が入っているドラム缶
集まってきた子どもたちとPWJ備中
これから冬の寒さはさらに厳しくなります。天気予報では、この地域は来週から厳しい寒波で雪が降るそうです。ファティマさん一家をはじめ、ドミズ難民キャンプに住む人たちが少しでも暖かく冬を越せるよう、PWJはこれからも支援を続けます。
報告:山本 理夏
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