【ミャンマー】「ただ安全に暮らせる場所がほしい」人生が変わってしまう国境で
いよいよ私たちのクラウドファンディングも残り1日となりました。
現在までに集まったご寄付は98万円を超え、目標の100万円まであと少しです。
「ウクライナ支援に世間の注目が集まる中、ミャンマー支援のクラウドファンディングは成功するのだろうか」という不安を抱えながらプロジェクトを開始した私たちですが、たくさんの方々からのあたたかい応援をいただき、ついにここまで来ることができました。本当にありがとうございます。
先日、クラウドファンディングにご支援いただいたお金で、ひと足先に学校に2万バーツ(約8万円)、負傷した人たちが暮らすセーフハウスにも2万バーツ(約8万円)の食糧を支援することができました。
このように、皆さまからのご寄付はミャンマーの人々のために迅速に活用させていただきます。引き続き、最後まで応援よろしくお願いします。
それでは、現地を訪れたスタッフからのレポートをお届けします。
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「ただただ、私たちは、安全に暮らせる場所がほしいだけなんです。」
国境近くで避難している方から聞いた言葉です。
現地調整員の私が訪れた国境は、川が境となっており、ミャンマー側か、タイ側かが、はっきりとわかりました。国境の場所によっては、地続きになっているところもあり、その辺りは、地元の人でもタイ側にいるのか、ミャンマー側にいるのか、判断が難しいそうです。
タイ(左)とミャンマー(右)の国境
のどかな景色が広がり、一見すると風光明媚なところです。
私はその場でしばらく、国境付近に何があるのか見渡したりして過ごしました。
タイ側の川沿いから、とても近くにミャンマー側の対岸を見ることができます。
こんな目と鼻の先で、本当にわずかなこの境で、人生が変わると思うと何とも言えない気持ちになります。
農地の中にある建物(右奥)
この国境を越えた人は、写真にあるような建物に住むこともあるそうです。
タイ人の地主さんに頼み、畑の一角を借り、居住スペースをつくります。
その畑で農作業を手伝い、生計の一部にしている人もいます。
農作業はシーズンがあるので、日雇いとなり、安定した収入ではありません。
また、住む場所をなんとか確保できても、警察に通報されないか気を張って過ごしているそうです。
道路を走っていると、木々が多く茂っている奥に、屋根が見え隠れします。
そのような生活の中では、子どもの教育も、避難する家族が抱える心配ごとのひとつです。
移民学校から遠いところに避難していると、通学することが困難です。
そういった環境にいる子どもたちへの支援のため、避難先の近くで簡単な勉強を教える現地のNGOもあるそうです。
しかし、支援を受けることさえ難しい場所もあります。
私の出会った方々は、避難場所が道路に近く、人の目につきやすい場所にあるので、子どもを一か所に集めると目立ってしまって「警察に通報されるのではないか」という心配がぬぐえない様子でした。
避難できたからといって、決して安心して暮らせているわけではなく、気を張り詰めて過ごしている生活の苦しさを、ひしひしと感じました。
「ただただ、私たちは安全に暮らせる場所が欲しいだけなのです。」
少しでもその力になれるよう、支援を行っていきたいと思います。