【モロッコ地震】「もうひとりぼっちじゃない」被災犬タラのものがたり
ピースウィンズは9月8日の地震発災3日後から6人のチームで現地入りし、被災地支援を行ってきました。現地での活動に現地の事情に通じ専門分野で活動してきた現地提携団体との連携は不可欠です。今回は、動物保護支援を行う提携団体についてご紹介します。
MAAの活動の様子
モロッコ・アニマルエイドMorocco Animal Aid(MAA)はモロッコで2018年に設立された動物保護支援団体です。ボランティアを含めた50人が5つあるシェルターで500頭以上の保護動物の支援を行っています。メインのシェルターはアガディールから北へ15kmのところにあり、300頭の犬と猫、数頭の引退後の馬やロバを保護しており、手術や重症の動物の対応をする「クリティカル・ヘルス・エリア」、事故や怪我で病気にかかりやすくなっている動物が回復するまでの「非ウィルスエリア(隔離エリア)」、里親を募集するための「アダプションエリア」、治療が必要な子たちの長期的な治療やリハビリを提供する「クリニックエリア」などを活用し、きめ細やかな支援を展開しています。
MAAは地震直後から地震被災動物の保護活動を行ってきました。具体的には、山間部へ取り残された動物たちを保護するためにパトロールを行っています。山間部では地震により住民が避難し、空っぽになった村に取り残された動物たちが沢山います。犬や猫だけではなく、労働力として飼われていたロバや馬・ヤギや豚など沢山の動物たちが、食べるものがない場所で今も生活をしています。また、飼い主が無事だったとしても、被災動物のエサなどを買い与えられない、世話ができず放置されている動物たちもたくさんいます。MAAは山間部のパトロールミッションを通じて、地震によって放置された動物たちへの給餌、またケガをしている動物たちの保護活動を行っています。
こうしたパトロールで見つかったオス犬のタラ(Tara)についてご紹介しましょう。MAAは発災後6日経ってから2度目のパトロールを行いましたが、被害の大きな山間部のImi N’tala村で、誰もいない家の前に座るタラを見つけました。ケガはしていませんでしたが、村は壊滅状態で人はおらず、食べるものもほとんどない村にひとりぼっちで取り残されていました。
誰もいない村にひとりぼっちでいたタラ
MAAに保護されたタラはとてもおとなしく、スタッフに抱かれ山から町におりる車の中でもじっと窓の外を眺めていました。幸運なことにUAEから里親さんが名乗り出てくれたため、ワクチンと去勢手術を終えたら引き渡される予定です。もうひとりぼっちじゃない。新しい家族と幸せに暮らしてほしいですね。
スタッフに抱かれて山をおりるタラ
車の中でもおりこうに過ごしていました
ピースウィンズは今後も被災した地域での支援を継続してまいります、皆さまのあたたかいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
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