【ケニア】ゴミ問題にケニア政府と手を携えて取り組む
ピースウィンズは、ケニア共和国トゥルカナ郡カクマ難民キャンプとカロベエイ統合居住区の難民とホストコミュニティを対象に、様々な衛生支援を展開しています。そのなかには、ごみの収集、分別、リサイクルの運営支援をおこなう事業もあります。ピースウィンズは2023年から外務省から助成を受け、集合収集所の設置、収集したごみを一時的に保管するトランスファーステーションの設置、2025年にはトランスファーステーションに収集されたごみを、分別し、リサイクル業者へと引き渡しが可能な加工をおこなうリサイクル資源回収施設を建設しました。

加えて、住民たちが自らごみを分別収集できるように、一次回収を担当する住民団体に対する研修も重ねてきました。また、住民たちに自分たちの環境改善に関心をもってもらい、ごみ収集にかかる経費を住民たちが賄うシステムも構築中です。

しかしながら、2025年3月時点で難民人口が30万人に達しているカクマ難民キャンプおよびカロベエイ統合居住区のごみの管理を、持続的な運営へと導くには行政からのサポートが必要不可欠です。そして、同地域は2023年よりカクマ自治体として再編成されましたが、そのカクマ自治体でも廃棄物の管理体制の整備は喫緊の課題として掲げられています。
そこで2025年5月、ピースウィンズはケニア政府トゥルカナ郡副知事と、カクマ自治体の首長を、資源リサイクル率80%を誇る鹿児島県大崎町に招聘して、廃棄物管理における「行政の果たすべき役割」を考えてもらう機会を設けました。4日間の大崎町訪問中に、大崎町長への表敬訪問、埋立地やリサイクルセンター、堆肥化工場の見学、住民たちや小学生たちの分別活動の視察、そして各施設の専門家からの講義などが展開されました。

ケニア政府職員たちは、使用済の料理油からリサイクルセンターで使用する重機の燃料を作る実践、大崎町と民間業者が協力して使用済オムツから新しいオムツを再生する技術開発など、資源循環に向けて徹底的に取り組む姿勢を学びました。小学校の教育現場で実践されているごみの分別や町の清掃活動、ごみの分別作業のなかでうまれる高齢者を含めた住民同士の交流もまた、ケニアの政府職員たちに「行政ができること」を考えるヒントを与えたようです。
ケニアの政府職員たちは、けっして日本だからできる取り組みだとは決めつけず、「大崎町のように資源を活用してケニアの若者たちに職を与えたい」という熱い思いを胸に、大崎町の取り組みをいかにケニアで応用させて実践できるか、議論を白熱させていました。

ケニアに戻った政府職員たちを、今後もピースウィンズはフォローアップし続け、カクマ自治体において、ごみが分別されて資源となり、その資源が有効に活用されるという循環型社会の実現を目指していきます。
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