2012年のコーヒー収穫開始!
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が、コーヒー生産者の支援を続ける東ティモールのエルメラ県レテフォホ郡とリキサ県リキサ郡では、今年もコーヒーの収穫作業が始まりました。今年は豊作の年であることから、日本への輸出量はPWJ初の100トン超えが予想されており、生産者とPWJスタッフは大忙し。コーヒー生産地では、一家総出でコーヒーの収穫やパーチメントへの加工を行っており、どこも活気にあふれています。
コーヒーチェリーの規格選別の様子
コーヒーの木から摘んだ赤い果実の状態をコーヒーチェリーと呼ぶのですが、このチェリーは収穫して8時間で傷んでしまいます。PWJはチェリーを保存のできるパーチメントと呼ばれる状態にするまでの一次加工技術の指導を長年行ってきました。
この行程を生産者自身が行えるということは、自分で自分の豆に付加価値をつけて高い価格で販売できるということでもあり、直接生産者の収入向上につながります。
コーヒーチェリーを収穫した生産者は、脱肉機で赤い果肉部分を取り除き、中の種子の部分を取り出します。取り出した種子を発酵させ、水洗し、乾燥します。コーヒー生産者が加工したコーヒー豆は、適正な水分値になるまで各農家の家で乾燥させ、乾燥が終わり次第、PWJスタッフが大型トラックと共に計量へ行き、コーヒー豆の引取りを行います。
生産者宅でパーチメントを乾燥させている様子
コーヒー生産者宅での計量の様子
東ティモールから日本へのコンテナ輸送中や到着時のコーヒー豆へのダメージを防ぐ方法として、生産者からコーヒー豆の引取りを行う時点から輸出直前まで水分値管理を徹底しています。また、例年であれば輸出する際に、コーヒー豆をそのままジュート袋に入れるのですが、輸送中の気温差でコンテナ内に結露が発生することで豆の水分値が上がってしまうため、今年はコーヒー豆を、まずは結露からコーヒー豆を守る特別な袋(グレインバッグ)へ入れ、さらにジュート袋へ詰めるという対策を取ります。
東ティモールで飲むコーヒーの味は格別のものがあります。産地で飲むコーヒーのクオリティをそのまま日本の皆さまへお届けし、日本の消費者の皆さまに喜んで頂き、リピーターになって頂く。これこそが、本当に東ティモールのコーヒー生産者の経済的自立を促し、自らが生産する「商品」に自信と誇りをも与えていくと思います。
この目標を達成すべく、日夜PWJスタッフはコーヒー生産者と共に奮闘しています。