生活・学校再開へ瓦礫との闘い続く
22万人を超える犠牲者を生んだハイチの大地震。避難生活を送る人たちが壊れた自分の家で暮らしを再開しようとする時、大きく前に立ちはだかる「瓦礫」の山。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)では、生活場所の復旧を支援するため、スコップやハンマーなどの道具類を配布しますが、校舎が崩壊した中でできるだけ早い学校再開を目指す人たちもまた、瓦礫との闘いを続けています。そうした作業を経て、再開をめざす学校を支援するため、PWJは机やイス、黒板、学用品などの提供を計画しています。
斜面に立つ家屋でせき止められた瓦礫 (C)PWJ/Masaharu SAITO
被災した住宅地で私たちの目の前に広がるのは、いったいどこから手をつけたらいいか、途方に暮れてしまいそうなほどの瓦礫。たとえ崩壊の危険がある建物が周囲になかったとしても、この瓦礫を取り除くまでには、相当な時間と労力を要します。
写真右:住民から話を聞くPWJスタッフ
(C)PWJ/Masaharu SAITO
PWJのハイチチームが配布の準備を進めているのは、大きなコンクリート片を砕くための大型のハンマーやスコップ、つるはし、さらに瓦礫を集めて運ぶための一輪車など。作業に携わる人が使う防塵マスクや手袋も同時に配布する予定です。キャンプを訪ねて代表者から情報を集め、直接住民に自宅の状況をたずねるなどの調査が終わり次第、配布対象を最終決定し、これらの道具を渡します。
写真右:取り壊すしかない校舎の前で話を聞くPWJスタッフ
(C)PWJ/Masaharu SAITO
一方、首都ポルトープランスでは、今回の地震で、80%の学校が被害を受けたといわれています。PWJは学校再開の支援も予定していますが、そこでも、倒壊した校舎の瓦礫の撤去が、最初の仕事になります。
ハイチでは、学校の大半が、NGOや教会などが運営する「私立校」。公立校では政府による重機を使っての瓦礫撤去も始まっていますが、より規模の小さい私立校では、家々での作業と同様、人びとの手によって瓦礫を片付けるしかありません。その作業も少しずつ動き出しています。PWJは、教室用の仮設テントや机・イス、黒板などの提供、学用品などの配布を計画しており、教育省との協議や援助団体間の調整も行いながら、対象校の選定を進めています。
重機を使った瓦礫の撤去作業 (C)PWJ/Masaharu SAITO