ACTIVITY
私たちの活動

モルドバMOLDOVA

モルドバでの活動

モルドバは人口約260万人の小さな国です。
2022年2月24日以降、これまで延べ約85万人のウクライナ避難民が入国し、現在も約11万人が生活しています。
戦争が長期化する中、欧州最貧国の一つとして多くの課題を抱えるモルドバ社会にとって、避難民の受け入れは大きな負担です。

 

ピースウィンズは、医療や食料・生活品の配付、教育支援に加え、現在は避難民児童を受け入れる公立校の修繕事業を進めています。
モルドバ人児童の学習環境も改善でき、今後の活動は、こうした両国民の共生に資するという視点がより重要になっていきます。

モルドバの基礎データ

国名
モルドバ共和国(Republic of Moldova)
首都
キシナウ
面積
3万3,843平方キロメートル(九州よりやや小さい)
人口
259.7万人(2021年:モルドバ国家統計局。トランスニストリア地域の住民を除く)
言語
ルーマニア語。ロシア語も一般に通用。
民族
モルドバ(ルーマニア系)人(75.1%)、ウクライナ人(6.6%)、ロシア人(4.1%)、ガガウス(トルコ系)人(4.6%)等(2014年:モルドバ国勢調査)
宗教
キリスト教(正教)等

モルドバで解決したい課題を教えて!

ウクライナ情勢の先行きは不透明です。
モルドバに滞在するウクライナ避難民は約11万人おり、ピースウィンズは現在、民間の一時避難所で暮らす避難民へ食料支援を継続していますが、今後の戦況によっては、避難民の数が急増する可能性もあります。

また戦争の長期化により、避難民のホストコミュニティへの社会的統合が課題となっています。
2023年5月より、申請者に一定の社会保障制度を付与する一時保護制度が本格的に導入されましたが、欧州最貧国とも言われるモルドバの避難民の受け入れ態勢は十分整っているとは言えません。
たとえば医療分野では、高齢者や障害者などの脆弱性の高い避難民への医療支援が不十分です。また教育分野では、避難民児童・生徒を多く受け入れている学校も窓ガラスが割れ、照明器具が故障しているなど、学習環境に課題を抱えています。

一方で、ウクライナへの帰還を見据え、モルドバで定住を目指さない避難民も数多くいて、一時保護制度の利用者数は約2万人程度にとどまります。
この制度を利用しない避難民が利用できる民間の一時避難施設や、オンラインでウクライナの授業を受けられる学習スペースへの支援の継続も必要です。

ピースウィンズの活動を通して、改善されたことを教えて!

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の開始直後から、ピースウィンズは隣国モルドバに拠点を置き、避難所への食料・衛生用品・ペット用品の支援、医療者チームによる仮設診療所の運営を行いました。
これまでに延べ21万人が一週間生活するのに必要な食料と日用品を受け取り、延べ888人が仮設診療所で診察・治療・ケアを受けました。

医療分野では、現地NGO団体と連携して基礎疾患のある障害者を対象に医師・社会福祉専門家等からなるモバイルチームがきめ細かな支援を実施しています。

2023年3月の事業開始以降、医療サービスの利用が困難だったウクライナ避難民に合計321回の医療ケアを提供できました。
またピースウィンズは、ウクライナの子どもたちが避難先でも勉強を続けられるよう、オンラインで授業を受けられる教室「スマートクラス」事業を、2022年12月から実施しています。
これまでモルドバ全土で計5か所開設し、すでに100人以上の子どもたちが利用し、ウクライナから配信されている授業や語学などの講座に参加しています。

今後活動を続けるにつれ、より改善できそうな所は?

ウクライナ避難民の受け入れは、そもそも欧州最貧国の一つとして多くの社会課題を抱えるモルドバにとって、非常に大きな負担になっています。
モルドバへの援助が十分に行われなかった場合、モルドバ国内で社会的な不満が起こり、ウクライナ避難民へ負の感情が生じる可能性もあります。

ピースウィンズは、ウクライナ避難民児童を受け入れている学校の修繕事業計画を進めています。
実現すれば、ウクライナ人避難民のみならず、そこに通うモルドバ人児童の学習環境も改善されることになります。

このように、今後の活動においては、両国民がよりよい共生を目指すという視点がより重要になっていくため、私たちもその一助を担っていきます。

SUPPORTご支援のお願い

支援が必要な人々のために
できること

ピースウィンズは世界各地の地震・洪水・干ばつなどの自然災害と、
紛争や貧困など人為的な要因によって
生命や生活の危機にさらされた人を支援しています。
また、復興・開発のために支援を行います。

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