【バングラデシュ】東部水害支援 ご支援に感謝:約5,600世帯に物資を届けることができました!
今年も多くの水害に見舞われたバングラデシュ。8月末から続いた大雨の影響でバングラデシュ東南部では多くの人々が洪水の被害により生活が脅かされていましたが、緊急物資支援は全ての被災者に行き届いていない状況でした。そこで、ピースウィンズは10月初頭から11月下旬にかけて被害の大きかった東南部4県で物資配付を行いました。
前回のルポで活動を報告したクミッラ県(Cumilla)とノアカリ県(Noakhali)、ラクシュミプール(Lakshmipur)県の3県では現地提携団体であるDCHT(Dhaka Community Hospital Trust)と協力し、3,621世帯に物資を配付しました。
もう1つの活動地であるフェニ県(Feni)では、現地提携団体であるANANDOと支援物資配付を行い、洪水による被害を受けた世帯が特に多かった3つの自治体で合計1,950世帯に必要な食料と物資を届け、4県合計で5,571世帯に物資支援を行うことができました。今回はフェニ県での様子をご紹介します。
ANANDOと活動地として選定したフェニ県の3地域は、水源が豊富にあり、とても緑が豊かな土地でした。しかし、その豊富な水源は大雨の被害に拍車をかけ、大量の土砂によって美しい水田は破壊され、収穫間際だった稲は流されてしまいました。洪水被害を受けた家を訪ねると、土砂に流された家具や物によって家の中が今も雑然しており、被害の大きさを強く実感することができました。
配付対象の地域を決定する際、ピースウィンズは地域のリーダーなど地域に詳しいボランティアと調整を重ね、洪水の被害を受けながらも支援がほとんど入っておらず、他団体が支援の対象としていない地域を選定しました。
その中でも特に脆弱性の高い世帯に支援を届けられるように、各自治体が持っている脆弱世帯リストを基に、5点の基準(1)妊産婦、乳幼児のいる世帯、2)女性世帯主世帯、3)高齢者のいる世帯、4)障害者のいる世帯、5)低所得者世帯から配付対象世帯を決定しました。
配付当日、支援対象の方々には事前に配付した引換券を持って区ごとの列に並びんでいただきました。イスラム教文化圏の慣習に配慮し、男女別にも列を分けました。
引換券を手に配付を待ちわびる人の中には、嬉しそうに引換券を見せてくれる方もいらっしゃいました。引換券と身分証で本人確認をし、確かに物資を受領した証明として拇印をもらい、物資をお渡しします。
今回の配付では、お米やビスケットなど緊急時の最低限の栄養に配慮した食料や、バングラデシュの食文化に合わせたチリパウダーなどの調味料に加え、洗濯洗剤や歯ブラシなどの衛生用品も支援物資に選定しました。
満足度や追加支援についての調査のために配付会場での出口調査を行い、配付を受けた人の声を直接聞く機会を設けました。
人々の声を聞くと、家屋の修復や農地の姿勢への支援の要望が多くあり、洪水の被害を受けて生活が打撃を受けた1,950世帯への配付は無事に完了しましたが、今回の配付支援だけでは現地のニーズを満たしていないことが浮き彫りになりました。それでも人々は、今回の物資配付を受けてまた生活を再建していくための力をもらったと感謝を述べてくださいました。
ピースウィンズは、今回の洪水被災地域の支援にとどまらず、これからも支援を必要とする人々に、必要な支援を続けてまいります。引き続き、皆様からの温かなご支援をよろしくお願いいたします。
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成やご寄付にて、現地提携団体DCHT(Dhaka Community Hospital Trust)およびANANDOと協働で実施しました。