【イラク】アルビル州のシリア難民キャンプで1,493世帯の住まいの改善を終えて
「酷暑が続く夏、妊娠中の私は暑さからよく失神していました。冬には、テントは泥をかぶり雨水が溜まってしまいました。でも、もう世界から忘れ去られたと思っていた気持ちはありません。これからは、天気の心配をせず、安心して娘たちと暮らしていけます。」
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、イラク北部アルビル州にある4つの全てのシリア難民キャンプにおいて、テントでの生活を余儀なくされていたシリア難民世帯に対し、より丈夫な住まいを提供するため、2018年9月より2年に渡り、計1,493世帯の住まいを改善しました。また、支援対象キャンプのシリア難民を本改善工事の作業員として雇用し、短期雇用の機会を提供するキャッシュ・フォー・ワークも実施し、雇用創出にも貢献しました。
事業終盤、イラク北部でも新型コロナウイルスの感染が拡大し、外出禁止令による移動制限や支援対象キャンプでの活動の一時停止など、様々な課題に直面しました。そのため、急なキャンプへの出入り停止措置に備え、支援対象キャンプのシリア難民をモニタリング担当スタッフとして雇用したり、日々の業務計画を柔軟に変更するなど、活動の仕方を工夫しました。また、受益者やスタッフ、関係者への新型コロナウイルス感染予防を第一に、ソーシャル・ディスタンス、手洗いと消毒、マスクの着用も徹底しました。
このような新型コロナウイルスによる様々なチャレンジを乗り越え、2020年9月29日に無事、事業を終了できたのも、現場チームの懸命な努力と皆さまからの温かいご支援、そして現地当局や受益者の協力と努力の賜物です。
本事業の成果が認められ、新たにシリア難民キャンプでの住まいの改善事業に対して助成を受けられることが決定し、2020年9月下旬より新事業がイラク北部のドホーク州とアルビル州で開始しています。新事業では、シリア難民世帯の住まいの改善に加え、障がい者やお年寄りのためのバリアフリー設備の設置や改善を行います。
2018年9月~2020年9月の2年間の活動報告をパンフレットにまとめました。ぜひ、ご覧ください。
※本事業は、米国国務省人口・難民・移住局(PRM)からの助成金と皆さまからのご支援で実施しました。