【イラク】シリア難民約4,500世帯の住まいを改善
ピースウィンズでは2018年から、米国国務省人口・難民・移住局(PRM)からの助成金と皆さまからのご寄付により、アルビル州にある4つのシリア難民キャンプの住まいを改善する事業を開始し、2020年からは本助成金で同様の活動をドホーク州の2つのシリア難民キャンプにも拡大しました。
2023年はあらたに613世帯を支援し、2023年8月までに計4,496世帯のシリア難民の住まいを改善し、住まいの耐久性と安全性だけではなく、彼らの尊厳を高めることに貢献しました。
現地視察の様子(2023年9月):「住まい(トイレとシャワー)が改善し、自分で身動きできるようになり、大変助かっています」と話す受益者(写真左)の声に耳を傾ける本部スタッフ(写真右から2番目)と現地スタッフ
2020年からは、障がいのある大人や子ども、高齢者、妊娠中の女性など、移動をする際に困難をかかえているシリア難民に焦点を当てているため、彼らが安全にキャンプ内を移動できるよう、アルビル州のシリア難民キャンプでキャンプインフラの改善も行っています。2023年からはドホーク州のシリア難民キャンプで同様の活動を開始。あらたにキャンプ内の43の公共施設のアクセスを改善し、2023年8月までに計111のキャンプインフラの改善を行いました。
現地視察の様子(2023年9月):キャンプ内公共施設のアクセス改善状況を視察する
現地駐在員(写真手前左)と本部スタッフ(写真手前右)
また、支援対象キャンプのシリア難民を本改善工事の作業員として雇用し、短期雇用の機会を提供するキャッシュ・フォー・ワーク(Cash for Work, CfW)も実施し、雇用創出にも貢献しました。2023年は2,113名の作業員(内336名が女性)がCfWに従事しました。
CfWで改善工事に従事するキャンプ住民
2023年9月27日にはPRM、現地関係当局、支援対象キャンプのキャンプマネージャー、国連機関、NGO、民間セクターの関係者を招待し、本活動の成果報告会を開催しました。成果報告会では、成果の発表に加え、難民の生計機会の転換と持続可能な成長、そして、NGOと民間セクターとの連携により社会から取り残されたコミュニティをエンパワーメントする可能性についてのパネルディスカッションを行い、同分野にかかわる現地関係者が一堂に会し、会場からの質疑応答なども交え、活発な意見交換の場となりました。
成果報告会で挨拶する現地事業代表(写真奥中央)
成果報告会でCfWについて説明する現地スタッフ(写真右奥)
成果報告会で住まいの改善後の様子を説明する現地スタッフ(写真右奥)
パネルディスカッションの様子
2011年に始まり、終息がみえないシリア内戦。ピースウィンズが支援を行うイラク北部クルド人自治区には今もなお24万人のシリア難民が避難生活をおくっています。 ピースウィンズは、シリア難民の生活を改善し、誰もが享受すべき安全な住まいと尊厳を取り戻すために支援を継続していきます。
※本事業は、米国国務省人口・難民・移住局(PRM)からの助成金と皆さまからのご支援で実施しています。
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